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青学大はマラソン界の「スタートアップ企業」? 世界陸上“惨敗”で原晋監督は「チームとしてノウハウがある」老舗企業に脱帽も…期待したい旋風の再現
posted2025/09/18 11:15
世界陸上の男子マラソンで34位に終わった吉田祐也。それでも青学大初のマラソン代表として、得難い経験値を手にした
text by

生島淳Jun Ikushima
photograph by
Kiichi Matsumoto
熱戦続く世界陸上。男子マラソンで箱根駅伝の“絶対王者”青学大からついに吉田祐也が日の丸を背負った。日本人選手の中で前評判は最も高かった一方で、結果は34位と不完全燃焼に。指導する原晋監督も含めた師弟の言葉から読み解く「敗因」とは?《NumberWebレポート全2回の2回目/最初から読む》
男子マラソン当日は曇り空で、直射日光は避けられたものの蒸し暑い気候。優勝の予想タイムは原晋監督によれば「2時間10分台」。実際、その通りの展開になったのだが、吉田祐也(GMOインターネットグループ)は中間点過ぎに遅れ始めた。原晋監督も「どうしちゃったかなあ」と得心のいかない様子。結局、2時間16分58秒の34位に終わった。
レース後の吉田は…「完敗です」
走り終えてミックスゾーンに現れた吉田は潔かった。「言い訳の出来ない完敗です」と話し、レース中に対応できなかった要因として、
「給水の時のペースの上げ下げがかなりありました」
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「給水のタイミングで、海外の選手たちは割り込んできたりするので、そこは日本国内のレースとはまた違ったものがありました」
海外でのレースというより、海外のトップ選手と競い合う経験が少なかったということだろう。
いま、吉田は生活、練習拠点を青学大に置いているが(学生の取材に行くと、食事を終えた吉田とばったり出くわしたりする)、練習については孤独な作業を続けている。箱根駅伝を目指す路線と、マラソンで世界の舞台に挑むのでは、当然、練習メニューが違ってくる。

