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原晋監督も思わず「どうしちゃったかなぁ」世界陸上マラソンで吉田祐也が34位…“青学師弟”はナゼ敗れたのか? レース前は「いい準備が出来た」
posted2025/09/18 11:11
現在は青学大に戻って練習を積んでいる吉田祐也。前評判は高かっただけに、中盤での失速は陣営としても予想外のことだった
text by

生島淳Jun Ikushima
photograph by
Nanae Suzuki
熱戦続く世界陸上。男子マラソンで箱根駅伝の“絶対王者”青学大からついに吉田祐也が日の丸を背負った。日本人選手の中で前評判は最も高かった一方で、結果は34位と不完全燃焼に。指導する原晋監督も含めた師弟の言葉から読み解く「敗因」とは?《NumberWebレポート全2回の1回目/つづきを読む》
青山学院が箱根駅伝で成功したのは、「スタートアップだったからだな」と、最近思うようになった。
スタートアップで成功した会社は、様々な要因が絡み合って結果を出したわけだが、一般的には、
「市場環境とタイミング」
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「独自性」
「チームと人材」
「ビジョンとリーダーシップ」
といった要素が成功の要因として考えられる。
市場環境としては、東洋大学が「山の神」柏原竜二を擁して支配していた時期が終わり、2010年代中盤は混沌期を迎えようとしていたが、そこでスーッと場所を獲得した。
青学大に感じる「スタートアップ企業」との共通項
また、人材についてもユニーク。原晋監督は関東の大学出身ではないし、大学卒業後は広島で働いていたから、門閥、学閥、既成の練習方法から自由だった。
ただし、「青山学院」という看板はリクルーティングにおいては大きな力となり、「朝のひと言」や「目標管理ミーティング」など、チームマネージメントに関しては他の大学よりもかなり先を進んでいた(それはいまでもそう感じる)。
いろいろな意味で、箱根駅伝を戦う学校の中で、スタートアップ的な発想で大成功を収めたわけである。

