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スポーツ・インテリジェンス原論BACK NUMBER
原晋監督も思わず「どうしちゃったかなぁ」世界陸上マラソンで吉田祐也が34位…“青学師弟”はナゼ敗れたのか? レース前は「いい準備が出来た」
text by

生島淳Jun Ikushima
photograph byNanae Suzuki
posted2025/09/18 11:11
現在は青学大に戻って練習を積んでいる吉田祐也。前評判は高かっただけに、中盤での失速は陣営としても予想外のことだった
ただし「青学出身者からは日本代表が出ていませんよね」という声が、私にさえ聞こえてきていた。そりゃ、まだ歴史が浅いから仕方がないんじゃないの? と思っていたが、2025年、いよいよ青学出身の吉田祐也(GMOインターネットグループ)が、世界陸上のマラソン代表に選ばれた。
批判に対する最高の回答である。
青学勢の活躍が目立った今季のマラソン界
振り返ってみると、2025年のマラソンシーズンは「青学反攻」ともいうべき年で、2月2日に行われた別府大分毎日マラソンでは、若林宏樹(当時4年)が2時間6分7秒で日本選手トップの2位に入賞。このタイムは日本歴代7位、学生新記録、初マラソンの日本新記録と、様々な勲章付き。
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加えて、箱根駅伝で7区を走った白石光星(当時4年・現住友電工)が学生歴代7位となる2時間8分42秒で6位に入ってチームとしての力を見せつけた。
そして2月24日には大阪マラソンに黒田朝日(当時3年)が登場すると、2時間6分5秒と若林のタイムを上回って学生記録を更新、さらに東京マラソンでは太田蒼生(当時4年・現GMOインターネットグループ)が途中棄権したものの、前半は果敢なチャレンジを見せた。
こうして、これまでの「箱根駅伝特化型」という見方を覆す戦績を収め、学生界だけでなく、実業団のチームを挑発する勢いを見せたのである。
この結果は、原監督なりの解答だったと思う。
そのなかで、卒業生で青学大を練習拠点にしている吉田が昨年の福岡国際マラソンで日本歴代3位となる2時間5分16秒で優勝し、世界陸上代表となった。
私の眼から見ると、箱根駅伝からマラソンへと、青山学院の「第2のスタートアップ」が始まった印象を受けた。
世界陸上では、TBSテレビも解説に原監督を起用し、青学モード全開。原監督曰く「いい準備が出来たと思います」。
しかし、レースは吉田にとって厳しいものとなる。
<次回へつづく>

