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「イノウエをダウンさせるプランがある」敗者アフマダリエフ、作戦はなぜ失敗したのか? 取材記者がコーチに聞いた“誤算”「井上尚弥は“くる”」発言 

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田中仰

田中仰Aogu Tanaka

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photograph byNaoki Fukuda

posted2025/09/17 06:04

「イノウエをダウンさせるプランがある」敗者アフマダリエフ、作戦はなぜ失敗したのか? 取材記者がコーチに聞いた“誤算”「井上尚弥は“くる”」発言<Number Web> photograph by Naoki Fukuda

9月14日、井上尚弥vsアフマダリエフ。敗者が思い描いていた“番狂わせ”プランとは…

 私はカルデナス戦で多くを学んだ――。

 次はイノウエを攻略できる、なぜなら……。教訓を活かす過程に落とし穴があったとは、誰が予想できただろう。

 アフマダリエフは井上に判定で敗れた。両者ともにダウンの数は0。しかしその内容は完敗と言っていい。

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 6R、ロープ際まで押し込んだ攻勢は、井上のボディ3連発にあっけなく押し戻された。9R、再びロープ際に追い込むも井上の右アッパーをもろに受けた。井上のパンチで倒されることはなかった。井上のパワーがアフマダリエフ陣営の想定内だったならば、その逆もまた事実だった。JBCによれば、アフマダリエフの当日計量は井上のそれより1.5kgも上回る63kgであった。それでも彼のパワーは井上を怖気づかせるほどのものではなかった。

 だがそうした具体的なシーン以上にアフマダリエフ陣営を絶望に陥れたもの。それは想定していたプランの崩壊だった。もっと言えば、戦略の出発点に欠陥があった。そう、井上のイメージを、カルデナス戦に求めすぎたのだ。

「ノーコメントとさせてほしい」。アフマダリエフの戦いぶりについて、そう回答した会見から3時間後。私はアフマダリエフ陣営が宿泊するホテルにいた――。

◆◆◆

「イノウエのパワーは想定以上ではなかった」…続きでは、密着記者が直撃した“敗戦直後のアフマダリエフ陣営”を綴る。

<続く>

#2に続く
「イノウエのパワーは想定以上ではなかった」敗者アフマダリエフ“2つの誤算”…取材記者が本人を直撃、コーチは“言い訳”「井上尚弥のプランは…予想外だった」

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