世界陸上3000m障害「三浦龍司がメダル候補」と断言する“決定的理由”…注目は「中盤の揺さぶり」「ラストの位置取り」最後のカギは…会場の雰囲気!? 

　また、想像していない展開になることもある。三浦があわや、というところまでエルバカリに迫ったダイヤモンドリーグ・モナコ大会は、中盤でエルバカリの独走状態になっていた。ところが残り400mを切ってからエルバカリがガス欠気味になり、三浦がどんどん追い上げる展開となった。予想もしなかった展開になった時、意外に波乱が起きることがある。

　そして忘れてならないのは、3000m障害にはアクシデントがつきものだということだ。予選でも三浦が走った1組目は無事だったが、2組目、3組目と転倒が相次いだ。

予選2組目では優勝候補の一角でもあるニュージーランドのジョルディ・ビーミッシュが転倒。顔を踏まれる場面も　©Nanae Suzuki

　決勝でもなにが起きるか分からない。最後のハードルで転び、メダルを逃す選手も見てきた。その意味で、先行型の三浦はリスクが少ないといえるが、アクシデント発生時の判断も勝敗を分ける要素となる。

メダルへの最後のカギは…声援の後押し!?

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　三浦としては最後の1周を迎えた時点で、メダル争いを繰り広げていれば、十分にチャンスはある。つまり、揺さぶりの波状攻撃を受けても耐えること。そしてラスト1周の勝負へ。もし、最後の200mを迎えた時点で、三浦にメダルの可能性があったら……。スタンドの興奮は最高潮を迎えるだろう。

　土曜、日曜とスタンドの雰囲気は最高だ。土曜日の男子砲丸投げのライアン・クラウザー（アメリカ）の22m超えに、女子10000mの廣中璃梨佳（日本郵政G）の健闘、日曜は言うまでもなく男女の100m。観客が競技にシンクロし始めている。きっと、国立競技場に集まったファンは、三浦に同期するはずだ。声援は後押しになる。そんな風景が見てみたい。

　スタート時間は、月曜夜9時55分。

　三浦龍司が走る3000m障害が、最高の雰囲気に包まれることを期待したい。