世界陸上3000m障害「三浦龍司がメダル候補」と断言する“決定的理由”…注目は「中盤の揺さぶり」「ラストの位置取り」最後のカギは…会場の雰囲気!? 

「えっ？」と思ったのはエルバカリもそうだったようで、さすがに自身の沽券にかかわると思ったか、ギアを上げてキックを効かせ、1位は譲らなかった（エルバカリは5000mでも12分55秒49の自己ベストを持っており、スピードがある）。

　レース後のエルバカリの表情が良かった。三浦の背中をたたきながら、「お前、なかなかやるじゃないか」という感じで三浦を讃えていたのだ。

　すべてのレースは、その後の伏線となっていく。このモナコのレースもそう。エルバカリとすれば、三浦の最後の追い上げもメモリーに保存されている。そして土曜に行われた予選も伏線であり、決勝に向けての予習となる。

三浦が見せた予選での走りは…？

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　予選1組に登場した三浦は、8月末のダイヤモンドリーグ・ファイナルを欠場したため、コンディションに不安があったが、3着に入って無事に決勝に進出。ただ、簡単なレースではなく、序盤はスローペースの展開となり、判断が求められた。

「スローペースになって、ちょっと迷ったんですけど、中盤から積極的に行くことが出来て、いい揺さぶりをかけられたと思います」

美しいハードリングを武器に危なげなく予選を通過。実力の高さを見せた　©Kiichi Matsumoto

　押し出されたのではなく、自らが仕掛けたレース。決して調子は悪くはないと見たい。

　2組目の見どころは、8月末に行われたダイヤモンドリーグ・ファイナルで優勝したルッペルトだったが、混戦のなかの4位通過。やや重めの仕上がりか？　2組目ではベン・ヤディレ（モロッコ）が首位通過となった。

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