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陸上・三浦龍司(22歳)が「パリはメダルが目標」と言い切るワケは? 調整レースで“異次元のスパート”…本人が語った東京との「大きな差」
posted2024/08/05 17:00
text by
和田悟志Satoshi Wada
photograph by
Satoshi Wada
パリ五輪の出番をちょうど20日後に控えた7月17日、陸上競技・男子3000m障害日本代表の三浦龍司(SUBARU)は、北の大地で五輪前最後のレースに臨んだ。
三浦が出場したのは、毎年北海道で開催されている中長距離のシリーズ戦、ホクレン・ディスタンスチャレンジ(DC)。その第4戦の深川大会で5000mを走った。
その10日前のダイヤモンドリーグ第8戦パリ大会では、専門の3000m障害でサードベスト(自己3番目のタイム)となる8分10秒52の好記録で7位に入っている。そのままヨーロッパで調整して五輪本番を迎えることもできたはずだが、三浦にとってその選択肢は「なかった」と言い、いったん帰国して、ホクレンDCに臨んだ。
「3000m障害と5000mを交互に出ることで走力を補っていて、相互関係が取れている。手応えをつかむ手段であり、パリへの最後の調整の一環として5000mに出ることを選択しました」
世界で好結果を残してきたルーティーン
実は、三浦にとってホクレンDCの第4戦で5000mを走ることは、世界大会前のルーティーンのようなものになっている。過去にも、同様の流れで世界の舞台で好結果を残してきた。
2021年の東京五輪では予選で日本記録(当時)を打ち立てて、決勝ではこの種目で日本人初の入賞となる7位に入った。その16日前のホクレンDC第4戦(北見大会)では5000mで13分26秒78の自己ベストをマークしている。
昨年のブダペスト世界選手権の約1カ月前にも、やはりホクレンDC第4戦(北見大会)で5000mを走り、13分31秒31の好記録で組2着となっている。そして、世界選手権では、東京五輪を上回る6位入賞を果たした。
ちなみに、2022年のオレゴン世界選手権は7月開催だったため、このルーティーンが組めなかった。その代わりに、6月末のダイヤモンドリーグ・ストックホルム大会で3000mに出場し、7分47秒98の自己ベストをマークしたが、世界選手権は予選敗退に終わった。