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「勝つことへの“怖さ”があった」世界陸上100mハードルで準決勝進出 福部真子(29歳)が語っていた「復活の過去」…高校で全国3連覇→大学でスランプに

posted2025/09/15 17:02

 
「勝つことへの“怖さ”があった」世界陸上100mハードルで準決勝進出 福部真子(29歳)が語っていた「復活の過去」…高校で全国3連覇→大学でスランプに<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

世界陸上女子100mハードルで準決勝進出を果たした福部真子(日本建設工業)。中高時代から世代のトップを走り続けるが、様々な苦悩もあったという

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NumberWeb編集部

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Nanae Suzuki

 熱戦続く東京世界陸上。女子100mハードルで準決勝進出を果たしたのが福部真子(日本建設工業)だ。中学時代から世代のトップを走り続けてきたベテランだが、ここまでのキャリアには様々な苦悩もあったという。昨年12月に本人が語ったインタビューのダイジェスト版をお届けする。

「インターハイ3連覇」。それは福部真子(29歳・日本建設工業)にとって誇りではなく、「呪いのような、呪縛のような」ものだったという。

 日本女子ハードル界をけん引する福部は、幼い頃から「エリート街道」を歩んできた。中学1年でジュニアオリンピック優勝、広島皆実高ではインターハイ3連覇を達成。しかし、この輝かしい実績が大学進学後の彼女を苦しめることになる。

「大学に入ったらまた一からスタートだと思っていたのに、勝たないといけない環境設定をされている気がして。最低限の成績にはまとめていたけど、あと一歩何かが足りないのは、勝つことへの怖さがあったから」

天才ハードラーを苦しめた「周囲の期待」

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 大学では「インターハイ3連覇」の肩書がついて回った福部。結果が出ないと、その肩書さえ恥ずかしく感じるようになった。かつての栄光が、現在の自分を追い詰める。

「またプレッシャーと戦わなければいけないし、勝てないと周りから何か言われる。勝てなかったら、『みんな離れていくんでしょ?』とも思う。その恐怖心との戦いが4年間ありました」

 活躍できなかった大学時代、中学や高校までは声をかけてくれていたメディアからも、見向きもされなくなった。自分の存在価値を否定されているようで、「人間が一番、怖い」と感じた。

 2020年、競技続行を決意した福部は「12秒50を切ってパリ五輪の決勝に進出する」という高い目標を自らに課した。それは当時の自己記録13秒13から大きく飛躍する挑戦だった。

「どうせ忘れられるぐらいの結果ならやらないわぁ、と思っていた」

 福部がこの壁を越えられたのは、苦しい時期に受け入れてくれた先輩ハードラーたちの存在があったからだった。現在は自己ベストを12秒69まで更新し、日本記録保持者として活躍している。

「早熟」と呼ばれた選手が停滞から脱出するには何が必要なのか。福部が自らの経験から導き出した答えとは――その続きは、本編で描かれている。

<つづく>

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 この文章の本編は、以下のリンクからお読みいただけます。

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