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「ドジャースは去年と何が違うのか?」終盤戦もたつきの原因と打開への秘策をNHK解説者・小早川毅彦氏が提案「大谷翔平をWBCのときみたいに…」
text by

小早川毅彦Takehiko Kobayakawa
photograph byGetty Images
posted2025/09/12 11:08
昨季に比べて勢いに乗り切れないドジャース。今季足りていないものとは? そして優勝戦戦を勝ち切るための秘策まで、小早川氏が読み解いた
もうひとつの秘策
それは願望程度としても、もうひとつ私のお勧めの秘策があります。ズバリ、大谷クローザー作戦です。先発ローテは揃っているわけですから、シーズンが押し詰まってまさに優勝を懸けた試合が続く状況となれば、そういう選択肢もありえるのではないでしょうか。言うまでもなく、前回のWBC決勝戦のクローザー登板を思い出せば、彼の登場が一気に雰囲気を変えることは疑いありません。
昨季の「50-50」の盛り上がりがないと言いましたが、優勝の行方を左右するゲーム中に大谷がベンチからブルペンに向かい、僅差のリードの9回にマウンドに登場したら……これは大記録達成に勝るとも劣らないくらい、チームを盛り上げますよ。
大谷は今やドジャースの象徴
いずれにしても、大谷選手は今や、良くも悪くもドジャースの象徴になっているんですね。大谷が笑えばチームが笑うし、大谷が咳をすればチームも風邪気味になる。実際、大谷が体調不良で先発登板を回避した9月3日のパイレーツ戦に敗れると、その連敗は山本のノーヒットノーランが破れたオリオールズ戦まで続いたわけですから。
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打つ打たない、抑える抑えない、という直接の成績だけでなくて、大谷が楽しそうに笑ってプレーしていること自体がドジャースに勢いをつけますし、大谷が疲れた表情で下を向いているとチーム全体に元気がなくなる。チームに最も影響を与える、ムードを作るプレーヤーですから、本当に大谷の肩にかかっているものは大きいと思います。
泣いても笑っても残り16試合、山本と大谷の日本人ふたりがリーグ優勝のキーマンだと思いますし、その先のワールドシリーズ2連覇のキーマンであることも間違いないですね。
〈全2回の2回目/はじめから読む〉

