- #1
- #2
プロ野球PRESSBACK NUMBER
藤川球児監督のコメントは本当に“つまらない”のか? 阪神・佐藤輝明に苦言の岡田彰布と比較…「そこは自分の責任」発言に隠された“藤川の手腕”
text by

岡野誠Makoto Okano
photograph byHideki Sugiyama
posted2025/09/14 11:02
監督就任1年目で阪神をリーグ優勝に導いた藤川球児
6月12日の西武戦(ベルーナドーム)では、主砲のボーンヘッドが反撃ムードに水を差した。1対4と3点を追う8回1死満塁、5番・大山悠輔に一発が出れば逆転の場面で、一塁ランナーの佐藤輝がまさかの牽制タッチアウトを喰らった。
――佐藤輝が八回にけん制死。
「また明日からやっていく、と。それに尽きますね。準備はチームとして普段からやっているところですけどね、ペナントレースはいろんなことが起こることはありますから」
選手批判ほぼ皆無…なぜ?
ADVERTISEMENT
藤川監督は失敗を咎めず、「明日」と前を向いた。だが、佐藤輝は3日後にまたしても信じられないミスを犯してしまう。15日の楽天戦(楽天モバイルパーク)、同点で迎えた延長11回、センター方向へ大飛球を放つと、ホームランを確信してゆっくり歩き出す。しかし、打球はフェンスに直撃。全力疾走を怠ったため、二塁打を単打にしてしまった。チームはサヨナラ負けを喫し、6連敗。最悪な雰囲気の中で、藤川監督はこう答えた。
――延長十一回の佐藤輝の走塁は。
「チームを預かる立場としては、あさってからそういうものがないような姿で、またチームとして臨むと。そこは自分の責任として、しっかり火曜日からやらなければなと思っています」
個人の問題ではなく、「自分の責任」として捉え、同じミスをしないように「チームとして臨む」と話した。岡田監督と違い、藤川監督は会見で選手をほぼ批判しなかった。そのため、「つまらない」と評された面はあるだろう。
だが、“つまらないコメント”にこそ、背番号22の真骨頂が隠されている。佐藤輝が活躍した時の談話を読んでみよう(日付、勝敗、スコア、対戦相手、球場、トピック、記者の質問、監督の回答)。

