西山朋佳vs福間香奈の白玲戦と藤井聡太七冠「棋力の担保」週刊誌報道…現場の様子は「賛成か反対かではなく確認」総会にいた田丸昇九段の感触 

　連盟の正式発表から総会まで1カ月半と短かったので、事情がよくわからない棋士たちから、いろいろな質問や賛否両論の意見が出た。

　7月下旬に発行された一部週刊誌はこの問題を取り上げ、藤井聡太七冠（23）が「棋力の担保は取れているのでしょうか」と発言したと、総会に出席したある棋士の話として報じた。

　私こと田丸もその場にいたが――藤井の発言はよく聞き取れなかった。いつものように穏やかな口調で、賛成か反対かではなくて、何かを確認するニュアンスだった。まもなく投票が行われ、賛成多数によって白玲の議案は可決された。

©Keiji Ishikawa

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　藤井七冠が発言したとされる「棋力の担保」は、女流棋戦だけの実績で棋士として認めるのは問題ではないかという意味で、反対派の棋士が根拠にしていた。ただ賛成票を投じた私は、個人の見解として白玲のタイトル獲得5期は低いハードルではないと思っている。

西山、福間に迫る“奨励会の元三段”もいるだけに

　女流棋士の棋力は全体的に向上していて、トップを長く維持するのは決して容易ではない。また、奨励会の元三段で昨年11月に女流棋界に転じた中七海女流三段（27）は、西山、福間の二強に迫る存在となっている。近年は棋士と女流棋士の公式戦対局で、女流棋士（特に西山、福間）が勝つことは珍しくない。棋士自身も「棋力の担保は取れているのか」と、逆に問われかねない状況であるともいえる。