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「藤井聡太七冠が連敗」の見出しだけでは伝わらない“強さが際立つ”ある事実「シンガポール→静岡→神戸…超過酷日程だ」観る将マンガ家が衝撃

posted2025/09/02 06:00

 
「藤井聡太七冠が連敗」の見出しだけでは伝わらない“強さが際立つ”ある事実「シンガポール→静岡→神戸…超過酷日程だ」観る将マンガ家が衝撃<Number Web> photograph by 日本将棋連盟/Junsei Chida

8月の将棋ハイライト。イラストは関連記事などからご覧になれます!

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千田純生

千田純生JUNSEI CHIDA

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日本将棋連盟/Junsei Chida

 最高気温35度どころか40度のニュースも珍しくなくなった8月……暑いのはもう勘弁ですが、将棋界は熱戦が続きました。今月も“観る将マンガ家視点”のイラストとともに振り返っていきましょう。

今まで2日制タイトル戦で連敗がなかった衝撃

 藤井聡太七冠にとって、9月は勝負の秋の陣(外はまだメチャクチャ暑いですが)となりそうな予感が漂っています。8月は9日に行われた将棋日本シリーズで佐々木勇気八段に勝利したのち、3勝を挙げて防衛まであと1勝……とした王位戦に臨みました。しかしここで挑戦者・永瀬拓矢九段が意地の反撃によって2勝をつかみ取りました。この展開に編集担当さんも興奮気味で……。

「各局をあらためて将棋連盟Liveにて振り返ってみたのですが、第4局で“トンボ柄”の和服を身にまとった永瀬九段は、藤井王位の得意とする角換わりを受けて立つと、1日目昼に音声トラブルなどがありながらも、渾身の研究で展開を進めて2日目に優位を作って1勝を返しました。続く第5局、じっくりとした藤井七冠の駒組に対して、永瀬九段が飛車角を活用した積極的な攻めでペースを握ってそれぞれ勝利をものにしました」

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 そんな藤井七冠が“敗れてなお強し”というデータが1つあります。それは第5局での敗戦によって2日制でのタイトル戦で連敗となったわけですが、これが“自身初の出来事”だというのです。編集担当さんが続けます。

「これまで、藤井七冠はすべてのタイトル戦に臨んできましたが、将棋の八大タイトル戦のうち2日制は4つあり、今回の王位戦を合わせて計17期戦っています(竜王戦=4期、名人戦=3期、王位戦=進行中を含めて6期、王将戦=4期)。七番勝負の中で2敗を喫したケースはありますが、連敗はなかった。端的な記事の見出しではどうしても『藤井七冠が連敗』となりがちですが……2日制を何十局も戦ってきて連敗が今までなかったという事実は、あらためて衝撃的ですね」

 1敗しても崩れず、切り替える藤井将棋の凄まじさを改めて感じ取るとともに……何度も跳ね返されてきた高い壁を少しずつ切り崩そうとしている、永瀬九段のタフネスぶりにも頭が下がる思いです。

海外対局に全国津々浦々…9月以降の超ハード日程

 さらに9月以降の戦いで藤井七冠にとって試練と言えるのが、伊藤匠叡王と佐々木八段がそれぞれ挑む、王座戦と竜王戦。さらには将棋日本シリーズも含めると、対局が海外対局も絡む超ハードスケジュールになることです。

【次ページ】 海外対局に全国津々浦々…9月以降の超ハード日程

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