クイズのために「偏差値78の名門校」から「偏差値44の特色校」に転校…!? 伊沢拓司と田村正資に憧れて『高校生クイズ』を制した双子の青春秘話 

兄・問も「クイズのために」桜丘へ転校を決断

　だが、ここで一気に現実に引き戻される。いかに夢とはいえ、クイズのために転校するというのは、果たしてあり得るのだろうか。

　言の場合は、状況的に仕方ない要素があった。いまの自分にそれはない。少なくとも一般的には全国屈指の名門校といわれているラ・サールである。そこを離れるべきなのか。

　後に聞いたところによれば、周囲からは様々な声も上がっていたという。「クイズのことしか考えていないのか」「ラ・サール辞めるなんてもったいない」「将来のことを考えていない」などなど。だが、当時はそんな雑音は耳に入らなかった。

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「結局、他人には他人事でしかないですから。別に東大に入りたいからラ・サールに来たわけでもない。じゃあ、やりたいことをやるのが正解だろうと」（問）

　結局、問は高1の冬から、弟のいる桜丘への転校を決断した。

　そして、初めて双子が同じチームで挑むことになった2018年の『高校生クイズ』。そのレギュレーションが発表される5月に、意気揚々と2人が眺めたスマートフォンの画面に現れたその年のテーマは――「地頭力」という聞き覚えのない言葉だった。《つづく》

（撮影＝鈴木七絵）

#2に続く

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