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「やっぱり、2人だから」高校生クイズで優勝した双子のその後…大学が分かれても「道が違った感じはなかった」東兄弟が明かす“それぞれへの思い”

posted2025/09/09 11:03

 
「やっぱり、2人だから」高校生クイズで優勝した双子のその後…大学が分かれても「道が違った感じはなかった」東兄弟が明かす“それぞれへの思い”<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

2018年の『高校生クイズ』で優勝し、現在はQuizKnockに所属する東問と東言

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別府響

別府響Hibiki Beppu

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Nanae Suzuki

多くのドラマを紡いできた高校生クイズ。43年の歴史の中でも異色のコンセプトとなった2018年大会は「双子の天才プレーヤー」を世に放つことになった。伊沢拓司らに憧れ、競技クイズに人生を懸けた兄弟が歩んだ、波乱万丈の旅路とは?《NumberWebノンフィクション全4回の最終回/第1回第2回第3回も公開中》

◆◆◆

番組史上最速…わずか38秒の決着

 2018年『高校生クイズ』決勝戦は、番組史上最速となるわずか38秒での決着だった。

「ビヨンド・ザ・ウォール」と題された課題は、高さ5m、厚さ80cmの発泡スチロール製の壁を乗り越え、いち早くゴールテープを切ることができた高校の優勝というものだった。

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 各チームには道具として5mの竹の棒、ベニヤ板、ノコギリ、ハサミ、ガムテープ、30mのロープが3本、水500mlと1Lが与えられ、15分の作戦タイムのあと一斉にスタートというのがルールだ。

「最初の作戦会議であんまりアイデアが出なくて。とにかく一番シンプルなヤツから試そうかと思ったんです」

 三重県代表・桜丘高校の東(もん)(ごん)の双子の兄弟は、最後の大勝負をそう振り返る。

「全然、実感がなかったです」

「一番シンプルなヤツ」とは5mの竹を壁に立てかけ、それを残る2人が支え、そのまま竹にしがみついて上っていくというものだった。普通に考えれば、そんなに簡単に壁越えができるはずはない。なにより壁の頂点は簡単に登れないように丸みを帯びた作りになっている。だが、問はあっさりと壁を越え、ゴールテープを切ってしまったのだ。

 おそらくここには制作側の想定外もあったのではないか。

 当然、こういった課題の際にはスタントマンのような人員をつかった予行演習が行われる。彼らはある程度、筋骨のしっかりしたアスリートだ。それと比べると東兄弟は細身で、体重も軽い。結果的に、いわゆる普通の筋肉質な体型の人間では体重の影響で越えられないと想定された壁をあっさりと越えられたのではないか。

「ずっと優勝するって言い続けていたのに、実際に優勝したらかえって現実味がなくて。全然、実感がなかったです」(問)

【次ページ】 異例の高校生クイズでナゼ…桜丘が勝てた理由

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