酒の肴に野球の記録BACK NUMBER

ドジャース山本由伸のエース級成績と佐々木朗希“マイナーで苦闘”…明暗の差を探る「5球種が一級品」「正捕手スミスとの相性問題も改善」 

text by

広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

PROFILE

photograph byNanae Suzuki

posted2025/09/07 06:01

ドジャース山本由伸のエース級成績と佐々木朗希“マイナーで苦闘”…明暗の差を探る「5球種が一級品」「正捕手スミスとの相性問題も改善」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

山本由伸と佐々木朗希。大谷翔平とともに今後のドジャース投手陣に欠かせないが、現在の状況を生み出した差とは

【捕手別の投手成績】
〈2024年〉
スミス 12試合62回 点26 率3.77 被打率.239 被本塁打7
バーンズ6試合28回 点4 率1.29 被打率.208 被本塁打0
〈2025年〉
スミス 20試合109.2回 点37 率3.04 被打率.209 被本塁打9
ラッシング5試合32回 点7 率1.97 被打率.153 被本塁打2
バーンズ1試合5回 点2 率3.60 被打率.250 被本塁打2

 スミスは4番を打つことがあるなど打者としても欠かせない存在だが、そのスミスとの相性が悪いことは、昨年の山本の大きな課題だった。

 今年もスミスと組むことが多い中で、成績は大幅に向上している。さらに若いラッシングと組むときは(山本の方が配球などの指示をしているのではないかと思われるが)優秀な数字になっている。捕手とのコンビネーションでも大きな進歩があったことがわかる。

マイナーで苦闘…朗希との差とは

ADVERTISEMENT

 投げるたびに配球、マネーピッチ(決め球)が変わる大谷翔平とは異なり、山本由伸はオリックス時代の投球をベースに、メジャーの強打者に対応できるようにマイナーチェンジを重ねている印象だ。

 しかし、NPBで無双状態だった山本の投球は、MLBでも十分に通用している。日本での「経験値」がメジャーでも活きているのだ。一方でチームメイトの佐々木朗希は現状、マイナーAAAで4登板、防御率7.07、奪三振率5.14、WHIP1.79と苦戦している。ポテンシャルでは佐々木の方が上だと言われているが、ここまで見てきた山本の進歩を踏まえると――今季における明暗は、積み上げた「経験値」の差が大きいともいえる。

 まだ27歳になったばかりの山本は日米通算で88勝だが、1位ダルビッシュの206勝に迫るのではないだろうか。第1回からつづく〉

#1から読む
停滞ドジャース、カーショーでもグラスノーでもなく…山本由伸が今やエース「ただ1人ローテ死守」「安定感が大幅上昇」懸念は“勝ち味”だけ

関連記事

BACK 1 2 3
#山本由伸
#ロサンゼルス・ドジャース
#大谷翔平
#佐々木朗希
#ウィル・スミス
#オースティン・バーンズ
#ダルトン・ラッシング

MLBの前後の記事

ページトップ