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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
停滞ドジャース、カーショーでもグラスノーでもなく…山本由伸が今やエース「ただ1人ローテ死守」「安定感が大幅上昇」懸念は“勝ち味”だけ
posted2025/09/07 06:00
安定したピッチングを続ける山本由伸。ドジャース2年目にしてエースになったと評しても過言ではない
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Nanae Suzuki
ローテを年間維持しているのは由伸だけ
メジャーリーグのペナントレースも残り1カ月足らずとなった。ドジャースは優勝戦線に踏みとどまっているが――昨年同様に満身創痍かつ、今季は下位チームへの取りこぼしが目立つなど、チーム状況が停滞している感がある。そんな中で、山本由伸は「エース」と言ってよい存在感を放っている。
〈今季ドジャースの先発陣〉※10登板以上。現地9月5日終了時点
山本由伸26試11勝8敗146.2回 167振 率2.82(9位)
メイ19試6勝7敗104回 97振 率4.85
カーショウ18試9勝2敗93.1回 61振 率3.28
グラスノー14試1勝3敗68.2回 81振 率3.41
大谷翔平12試1勝1敗36回 49振 率3.75
シーハン11試5勝3敗52.2回 60振 率3.59
山本以外、規定投球回数に到達した投手はいない。今季2番目にイニングを投げているダスティン・メイは、トレード期限でレッドソックスへと移籍しており、6月に入ってテスト的にマウンドに立ち始めた大谷でさえ、5番目に顔を出している。山本以外の先発は、サイ・ヤング賞経験者のブレイク・スネルを含めて戦線離脱でローテーションから外れた期間があった。それに加えて各投手の防御率も3~4点台だ。
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勝ち星こそ11勝だが、ドジャース先発投手陣で最も安定感を発揮している山本について――昨年と今年(現地時間9月4日時点)の成績を比較しよう。
昨季と成績比較…安定感が大幅に増した
まずはスタンダードな指標から。各指標の説明とともに見ていく。
・QS(クオリティースタート)=先発して6回以上を投げて自責点3以下、投手の最低限の責任を果たした試合
・WHIP=1イニング当たりに出した安打・四球による平均走者数
・H9、HR9、SO9=それぞれ9イニング当たりの被安打数、被本塁打数、奪三振数
・SO/BB=奪三振数÷与四球
・P/IP=1イニング当たりの平均投球数
〈2024年〉
18試7勝2敗90回78安7本 率3.00 QS7試合(39%)
105振 22四球 1469球/ストライク981球
WHIP=1.11 H9=7.8 HR9=0.7
SO9=10.50 SO/BB=4.77
ストライク率66.8% P/IP=16.32
〈2025年〉
26試11勝8敗146.2回106安13本 率2.82 QS15試合(58%)
167振 48四球 2384球/ストライク1528球
WHIP=1.05 H9=6.5 HR9=0.8
SO9=10.24 SO/BB=3.47
ストライク率64.1% P/IP=16.25
以上の成績から、山本の今季を詳細に考察していこう。

