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「ユーキと“パリ五輪”の話はしない」男子バレー“悲劇の逆転負け”から1年、イタリア主将が“再戦”に本音激白「また日本とやるのか…勘弁してほしいな」 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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photograph byAsami Enomoto/JMPA

posted2025/09/05 11:01

「ユーキと“パリ五輪”の話はしない」男子バレー“悲劇の逆転負け”から1年、イタリア主将が“再戦”に本音激白「また日本とやるのか…勘弁してほしいな」<Number Web> photograph by Asami Enomoto/JMPA

パリ五輪から1年、日本との激闘を振り勝ったシモーネ・ジャンネッリ(6番)は石川祐希への特別な想いも口にした

「開催国フランスが準決勝にベストコンディションで臨んできた一方で、我々はトップの状態からほど遠かった。準決勝も3位決定戦もイタリアの選手たちにやる気はあった。それは間違いない。ただ……今、ふり返ってみると、我々はやはり日本との試合で体力を使い果たしていた。(メダルを逸した要因の一つは)日本戦の後のリカバリーが十分できなかったからだとはっきり言える。返す返すもメダルを獲れなかったのが悔しい」

パリ五輪のことは「あまり話さない」

 パリ五輪の後、ジャンネッリがやはり主将を務めるセリエAの強豪ペルージャに日本代表主将、石川祐希が加入してきた。 

 代表では鎬を削るライバルである一方、所属クラブで味方になった天才セッターとトップアタッカー。実力を認め合い、主将の責任も理解し合う一流プレーヤー同士だからこそ、パリでの準々決勝については、互いに「あまり話さない」。

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 尊敬すべきキャプテンであり練習でも試合でも人となりを観察している、という石川のジャンネッリ評を本人に伝えると、顔をほころばせた。

「ユーキが俺のことをリスペクトして評価してくれるのは嬉しいね。昨季から彼が加入してくれて本当に頼もしい。彼はセリエAでももう10年選手だ。経験が豊富で、しかも日本代表のキャプテンだからバレーの試合の勝負どころがわかっているんだと思う。今やペルージャにとって重要な存在だよ。どんな状況でもユーキは必ず笑顔で前向きにチームを引っ張ろうとしてくれる。絶対に弱い部分を見せない。だからチームの皆が彼を頼もしく思っている」

 昨季、ペルージャはCEVチャンピオンズリーグを初制覇し、悲願の欧州王者となった。世界屈指の強豪クラブとイタリア代表、その両方でチームを束ねる責任の重さを尋ねてみる。

「(わざとため息をつきながら)楽な仕事じゃないよ(笑)。代表にもペルージャにも個性的で素晴らしい選手たちが揃ってる。それぞれの気持ちを理解した上で、練習でも試合でも全員を前進させるために自分から模範を示す。俺が最初に諦めてしまったら、チームはバラバラになってしまうだろう。まず自分自身が諦めないことをモットーに、できるかぎり公明正大なキャプテンであろうとしている」

【次ページ】 「また日本とやるのか…勘弁してほしいな」

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