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井上尚弥の“刺客”アフマダリエフ激白「私たちの母国での生活は想像もできない」苦境から這い上がったウズベク・パワー「4団体統一こそ究極のゴール」
posted2025/09/01 11:05
井上尚弥戦を前に実現したインタビュー。母国を代表して戦う強い意志を感じさせる言葉があった
text by

杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
Getty Images
――井上戦は敵地での戦いになりますが、あなたはKO勝利を狙って攻めるのでしょうか?
「ここで私のプランを披露しよう。まずは最初の4ラウンドを取って、次の2〜3ラウンドをわざと落として、その後はすべてのラウンドで仕掛けて……なんて言ったら信じる?(笑)冗談だよ。
KOできるなら狙うが、計画通りに行くものじゃないということだ。チャンスがあれば仕留めるけど、無理に突っ込んで愚かなミスはしない。私は五輪、世界選手権、アジア大会など、さまざまな大舞台を経験してきた。プロでも8戦目という史上最も少ない試合数で統一王者になった(レオン・スピンクスの記録に並ぶ)。どんなステージでも常に冷静さを失わないこと、それが自分の武器でもある。すべてが想定通りにいけばKOを手にできるのかもしれないが、判定でも構わない。とにかく勝つことが大事だ」
井上尚弥を意識したのはいつから?
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――今戦は2年越しの悲願の対戦だという話もしてくれました。同じ軽量級の実力者である井上を初めて意識したのはいつ頃だったのでしょう?
「はっきりとは覚えていないが、かなり前だ。たぶんイノウエがスーパーフライ級で戦っていた7〜9年前だと思う。当時から“すごい選手”だと思っていた。だが対戦相手候補として見始めたのは、彼がバンタム級で4団体統一した頃だ。ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズでの活躍なども目にし、その戦いぶりに感心させられていた。私は1階級上のスーパーバンタム級の王者だったから、その頃から『いつか戦う相手だろう』と考えるようになった」
――井上との試合はあなたの希望よりも遅れ、エディ・ハーン・プロモーターやあなた自身から結構激しいトラッシュトークもありました。すべてを振り返り、なぜこの試合は今まで実現しなかったのだと考えていますか?
「それは分からない。これのおかげだ、あれのためだ、と理由を推測するつもりもない。今、こうして試合が決まった。それだけで十分だ。ここに至るまで、どういうわけか私の名前は彼の対戦者リストには含まれなかったというだけだ」


