「沖縄尚学170センチvs日大三177センチ」“小さい”沖縄尚学の優勝は番狂わせだった？ 証言「沖縄尚学にあって、県岐阜商になかった“バント”」公立校の敗因 

「バントの精度です。今日、相手（日大三）は5個やりましたよね？　成功率もほぼ10割だったんじゃないですか。そこは大きいと思います」

――県岐阜商はバントを苦手にしていた？

「苦手とされてきました。打つチームだったので。ひたすら打てる選手が揃っていたので。もちろんバントの練習もしていたんです。でもチームとして、最後まで精度が上がりませんでした。それを大事なポイントで成功できていれば、というのはベンチから見ていて思いました」

準決勝、日大三戦。この試合、県岐阜商のバント成功数は「2」、日大三は「6」だった　©Hideki Sugiyama

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　丹羽の言葉を聞いてあらためてバントの数を調べた。日大三のバント数は丹羽の記憶より1つ多い6個。さらに8回に同点に追いついた1点、10回タイブレークの2点は、いずれも前の打者の「バント成功」が絡んでいる。

　対して県岐阜商はバントを2度、成功させている。だが、初回の2番打者は無死二塁からバントを試みるも1球ファウルになり、諦めてヒッティングへ。結果はセカンドライナーでランナーを進められなかった。さらに10回裏タイブレーク、無死一、二塁の先頭バッターもヒッティングを選んだ。

沖縄尚学の「公立高校っぽさ」

　ここで視点を変える。ならば沖縄尚学はどうだったのか。バントは高校野球にとってどれほど重要なものなのか。

　沖縄尚学が優勝を決めた。その直後、一人の選手に話を聞いた。沖縄尚学の副主将、嶺井駿輔である。自分の言葉を持っている――以前、比嘉公也監督について話を聞いたときに、嶺井に対してそんな印象があったからだ。

　野球の戦術には明るくないため単刀直入に聞いた。

――県岐阜商の選手が準決勝の敗因にバントを挙げていた。やはりバントって大切なんですか？

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