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「0-19で初戦敗退…これが現在地なんだよ」大阪桐蔭・西谷監督が認めた“北のイチロー”は部員4人の野球部を救うのか? 元オリックス吉田雄人30歳の挑戦

posted2025/08/27 11:25

 
「0-19で初戦敗退…これが現在地なんだよ」大阪桐蔭・西谷監督が認めた“北のイチロー”は部員4人の野球部を救うのか? 元オリックス吉田雄人30歳の挑戦<Number Web> photograph by Noriko Yonemushi

この春、廃部となっていた森高校野球部を復活させた吉田雄人監督(30歳)。オリックスで外野手として5年間プレーした

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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引き続き、北海道・森高校野球部を取材したレポートをお届けします。合同チームで出場した初めての公式戦はコールド負け。それでも、元オリックス・吉田雄人監督が「目標は甲子園」と明言する理由とは? 今も心に残る意外な人物の言葉があった。【NumberWebオリジナル特集 全4回の最終回/第1回から続く】

 0-19。

 それが、4年ぶりに復活した森高校野球部のスタートだった。

 5月5日に行われた春季北海道大会の函館支部予選。森・八雲の連合チームは、初戦で函館中部高に0-19、6回コールドで敗れた。

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「終わらんかと思いました」

 吉田雄人監督は公式戦初采配を振り返り、そう苦笑した。

 北照高で過ごした自身の高校時代には経験したことのない負け方だ。

「悔しかったですよ。函館中部さんは本当に力がある第1シードのチームなので、勝てるなんて思ってはいなかったですけど、なんでこんなになめられなあかんの、と。途中でピッチャーを代えられて、バンバン走られて……。悔しかったです」

 試合後は「これが、自分たちの現在地なんだよ」と選手たちに伝えた。

「今日が特別悪かったわけじゃなく、これが今の自分たちの実力だよ、と。元プロという経歴があって、その僕に教えてもらったらうまくなると思って入ってきている子たちだと思うし、今後もそういう子はいっぱい来ると思うんですけど、そんな、魔法みたいな指導はできなくて。

 僕は絶対できないと思っているし、できる人はいないと思っています。もしかしたらいるのかもしれないけど、そうやって言う人は、僕は信用できない。結局、結果を出すためには積み重ねが必要だし、年月も必要なんです」

【次ページ】 初めての夏も0-10、5回コールド負け

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