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「0-19で初戦敗退…これが現在地なんだよ」大阪桐蔭・西谷監督が認めた“北のイチロー”は部員4人の野球部を救うのか? 元オリックス吉田雄人30歳の挑戦 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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posted2025/08/27 11:25

「0-19で初戦敗退…これが現在地なんだよ」大阪桐蔭・西谷監督が認めた“北のイチロー”は部員4人の野球部を救うのか? 元オリックス吉田雄人30歳の挑戦<Number Web> photograph by Noriko Yonemushi

この春、廃部となっていた森高校野球部を復活させた吉田雄人監督(30歳)。オリックスで外野手として5年間プレーした

 すでにプロ注目選手に挙げられていたが、吉田自身は半信半疑だった。西谷に「お前、進路どうするんや?」と聞かれた時、「迷っています」と打ち明けた。

 すると、「プロしかないやないか」と断言された。

「いやー僕なんか。通用するかどうか」と及び腰でいるとさらに一押し。

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「いや、お前は活躍できる。お前は絶対通用するから、行け」

 その言葉に強く背中を押された。

「本当にありがたい言葉でした。短い時間だったんですけど、間違いなく恩師です。僕は勝手にそう思ってます。西谷先生は教え子だなんて思っていないと思いますけど(苦笑)」

 ただ、オリックスを戦力外になった後は、「あの時、別の選択をしていたら」と考えることもあった。

「大学から社会人に行って、今も現役で頑張っている同級生を見ると、自分も大学に行ってたらどうなってたかな?とか、羨ましいなと思うこともありました。

 西谷先生に『お前は絶対活躍できる』と言われた自分を信じられなかった後悔も、たぶんあるんだと思います。『そのままでいい』と言われたのに、プロに入って、これじゃ通用しないと周りに言われ、自分を信じられなくて。

 でも、やってきたことが今少しずつ実を結び、メンタル的にも充実し始めると、考え方も変わってきて、『これでよかったのかもしれない』という気がしてきました。今は、あの時プロに行ってよかったと思っています。クビになってよかったとはまだ思えないですけど、いずれ心から『だから今がある』と言える日が来るのを目指してやっている感じです」

「一発の打ち上げ花火じゃなく、継続」

 目標は大きく掲げている。

「勝敗の部分では、甲子園に出ること。そこで勝つことです。そしてこの活動が、一発の打ち上げ花火じゃなく、継続していって、野球部が中心となり森高校や森町が活気づく。単純なチームの勝ち負けだけじゃなく、そういうところまで目指さないと価値がないのかなと思っています。

 いずれ甲子園に出たり、森高校や森町の未来が変わって、関わる人の表情が変わって……。そうなったら本当に、これでよかったんだと思えるんじゃないかなと」

【次ページ】 23歳で夢破れた青年監督と4人の球児

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