《夏の甲子園番付2025》暴力問題で辞退・広陵「1勝0敗」と休部PLに高校野球の闇が潜むが…沖縄尚学が大出世、公立の県岐阜商は東関脇に肉薄

　第107回全国高校野球選手権大会は、沖縄の沖縄尚学高の初優勝で幕を閉じた。沖縄尚学は春の甲子園では2回優勝するなど、沖縄屈指の強豪だった。決勝戦で対戦したのは、西東京の日大三高。春1回、夏2回優勝した強豪校。今年の決勝戦は実績ある伝統校同士の対戦だったと言える。恒例になっている、夏の甲子園（選手権大会）の勝利数による「夏の甲子園番付」をアップデートさせつつ、番付図で見てみよう。

4勝の県岐阜商が肉薄…“東関脇の名門”は？

　愛知県や石川県など中京・北陸など中部地方以東を「東」。関西地方以西を「西」としている。「え、愛知県は東なの？」という声が毎度出るが、高校野球は伝統的に「西高東低」で、ここで線を引かないと東西のバランスが取れないのをご了承いただきたい。

　夏の甲子園は、1年で最大6勝しか積み上がらない。戦前から参加しているような伝統校の牙城を崩すのは、簡単ではない。しかしそれでも年々番付は変わっていく。

ADVERTISEMENT

〈横綱・三役〉

　東横綱の中京大中京は79勝と東西通じて最多勝のため動かないが、東大関の仙台育英は23年夏の準優勝に続き、今夏も2勝を積み上げた。そして公立の雄、東小結の県岐阜商は今夏4勝、東関脇で今季出場がなかった早稲田実にあと「2」で並ぶところにまで肉薄した。

2025年夏の甲子園でベスト4に進出した県岐阜商　©Hideki Sugiyama

　西横綱の龍谷大平安も戦前からの古豪、そして公立最多勝の西大関の松山商は愛媛大会の決勝で済美に敗れ出場を逃した。西関脇の天理は出場するも鳴門に1回戦で敗退した。西小結のPL学園は休部。学校の生徒数も減少し、今年は軟式野球部が大阪大会に出場しているが、大敗を喫した。桑田真澄氏などOBは再興に動いているが復活は難しそうだ。

帝京・作新・大阪桐蔭に明徳…不出場組がズラリ

〈平幕〉

　東では今夏準優勝で大会前まで前頭3の日大三が4勝を積み上げたが、前頭筆頭だった横浜もベスト8まで進み3勝。日大三は1枚上だった帝京を抜いて前頭2になったが、関東勢が前頭上位でせめぎ合っている。あとは古豪の松商学園が出場するも初戦で敗退した。

　西では2年連続出場の前頭2、智辯和歌山が2年連続で初戦敗退して勝ち星を積み上げられず。そして番付を見ると、帝京・作新学院・星稜・大阪桐蔭・明徳義塾といった夏の優勝・準優勝校が出場を逃していることが改めてわかる。

【次ページ】　番付図で見る勝利数…沖縄尚学、広陵は番付だとどこ？