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核心にシュートを!BACK NUMBER
「なぜヒーローのタナカに指摘を?」英国人記者の質問にリーズ監督は…“乱入ファンが肩組み”田中碧26歳の課題「アーセナル戦も厳しさはあるが」
posted2025/08/23 11:03
田中碧とリーズのファルケ監督。コミュニケーションを取る様子から信頼の高さを感じ取れる
text by

ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Robbie Jay Barratt - AMA/Getty Images
キツい80分過ぎ…田中の猛プレスがPK獲得の契機に
2025-26シーズンのプレミアリーグ開幕戦。田中碧が所属するリーズは、エバートン相手に前半に1本もシュートを許さないどころか、ペナルティーエリアでのボールタッチをわずか2回しか許さないほどの強烈なプレスとカウンタープレスを繰り出し続けた。
チームとしては3シーズンぶりとなる最高峰の舞台で選手たちは走り回った。当然ながら、相当な負荷がかかっていたはずだ。
にもかかわらず田中は80分を過ぎたところ、自陣のエリアを出たあたりから一人で鬼の形相でプレスをかけはじめ、陣地回復のために走っていた。相手MFゲイェにボールを下げさせても、走りをとめない。これにはたまらず、相手センターバックのキーンもGKまで長距離のバックパスを選択。田中はそこでひるむのではなく、逆に加速していった。そして、イングランド代表のGKピックフォードにも、利き足の左足でのキックを許さないような形でプレス。結局、代表GKの苦しいパスを誘発し、それを味方に回収させ、そこからの攻撃がPK獲得につながった。そして、それを新加入の元ドイツ代表FWヌメチャが決めてみせた。
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この直後、田中は喜びを爆発させた。
結果的にこの試合唯一となるゴールが決まったあと、PKを決めたヌメチャに駆け寄り、雄たけびを挙げながら、スタンドに叫んだ。その迫力にあおられたかのようにスタンドからファン(*元クラブスタッフだという情報もある)が突然飛び出してきてしまい、田中は熱烈に肩を抱き抱えられたほどだった。
そして、アディショナルタイムに入ってからボールを奪われてしまうと、即時奪回に走りまわった。リーズ守備時に求められる強力なカウンタープレスを見せ、最後は身体を投げ出して、相手のクリアボールをブロック。田中は、守備でも奮闘として本拠地エランドロードに詰めかけたサポーターを狂喜させた。
田中とリーズが残した“楽しみなデータ”とは
試合は1-0で勝利。チャンピオンシップで優勝して昇格したチームが、プレミアリーグ開幕戦で勝つのは実に17年ぶりのことだった。
しかも、リーズは今後を楽しみに思わせるデータも残した。
