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核心にシュートを!BACK NUMBER
英BBCが日本代表MF“命懸けハードワーク”に破格の「7.94点で最優秀選手」田中碧プレミア初陣を解説した記者ズバリ「キャリア設計失敗の雑音に…」
posted2025/08/23 11:02
田中碧はプレミアデビュー戦で持ち前のハードワークを見せ、英BBCのプレイヤーオブザマッチに選ばれるなど高く評価された
text by

ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
George Wood/Getty Images
「キャリア設計失敗では?」雑音に背を向けて
ブンデスリーガ2部のフォルトゥナ・デュッセルドルフで欧州のサッカー選手としての第一歩を踏み出してから3年と364日が経った。
8月18日、田中碧は夢の1つであったプレミアリーグでプレーする選手になった。相手はイングランドの世界最古のリーグであるイングランドリーグ創設時の12クラブの1つで、92年のプレミアリーグのオリジナルメンバーでもあり、母国でトップカテゴリーのリーグで戦った経験がもっとも長いイングランドフットボールを象徴するチームだった。
およそ4年。田中の身体の大きさの変化をまず第一にあげないといけない。フォルトゥナ・デュッセルドルフでデビューした頃と今とは別人のよう。学生と、フィジカルを売りにしたプロアスリートくらいの差がある。
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田中は努力の人だ。自重トレーニングを大事にして、懸垂をよくする。そうしたトレーニングを4年も続ければ、人の身体は変わることができる。
ただ、この4年で田中が見せつけてものの大半は、そうしたわかりやすい変化ではない。ドイツでの試合をたいして見ていない人たちから寄せられた「キャリア設計を失敗したんじゃないの?」という、雑音ともいえる適当な感想に背を向けて努力をしてきた意味はあった。
「タナカとプレーしたら、やりやすい」選手に
そもそも、田中の特長は一言で表せないものだ。
遠藤航ならばデュエル、三笘薫ならドリブル。堂安律にはメンタルや運動量、冨安健洋ならばスピードやサッカーIQが強みとしてイメージできる。
一方、田中は違う。昨年12月に実施した単独インタビュー時にも本人が認めているように特別なスピードがあるわけでも、特別に背が高いわけでもない(180cmだから低くもないが)。
ただ、理想としている選手像は明確だ。

