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県岐阜商・横山温大も…甲子園ヒーローの系譜「無茶苦茶な練習で鍛えた」吉田輝星、愛され系な山田陽翔、“髪サラサラ”慶応プリンスの野球IQ
posted2025/08/21 06:00
県岐阜商・横山温大が憧れた金足農・吉田輝星など「甲子園ヒーロー」はいつの時代も見る人の心を熱くする
text by

NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Hideki Sugiyama
無茶苦茶な練習で精神面が鍛えられた
<名言1>
あんな感覚は初めてでしたね。無双って感じです。完全なゾーン状態。
(吉田輝星/Number970号 2019年1月17日発売)
◇解説◇
2025年夏の甲子園準々決勝・県岐阜商vs横浜は高校野球史に残る死闘となった。
内野5人シフトに微妙な判定など……見ている人々が感情を揺り動かされる壮絶な試合展開のきっかけをつくったのは、県岐阜商の横山温大(はると)であることは間違いない。初回に横浜・奥村頼人がライト線に放ったライナーを背面逆シングルでスーパーキャッチし、大甲子園を味方につけた。さらには“左手にハンディ”という先入観を抜きにした巧打ぶりで、県岐阜商の強力打線をつなげる役目を担った。
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そんな横山が憧れたのは2018年の甲子園ヒーロー、現オリックスの吉田輝星だった。
第100回夏の甲子園の主役は、金足農業ナインと吉田だった。高校生離れした球威のストレートで相手打者をねじ伏せた。その一方で、準決勝まですべての試合で完投。投げすぎではないかと社会問題化した。
ただ吉田本人は、今までの自分とは違う領域を楽しんでいる節すらあったようだ。
「専門的なトレーニングも必要だと思うんですけど、無茶苦茶な練習で精神面が鍛えられていると、実力以上のもんが出ることがあるんですよ」
こう話した吉田に憧れ、野球を続けた横山が7年後の甲子園で存在感を放ってヒーローの系譜を継ぐというのも、甲子園らしいストーリーである。
髪をなびかせてプレー…慶応プリンスの野球IQ
<名言2>
すごく価値のある本塁打を打つために、今まで公式戦の本塁打をためていたのかなと感じています。
(丸田湊斗/NumberWeb 2023年9月1日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/858622
◇解説◇
昨今は酷暑などで開催地の是非を問う声もある甲子園だが――毎夏のようにヒーローを生んできた事実は変わらない。世間が大きく注目したという意味で思い出すのは、2年前の2023年、慶応旋風が吹いた中でのリードオフマン、丸田湊斗である。

