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久保建英になぜキャプテンを?「あの夜、森保監督が部屋を訪ねてきて…」プレミア王者リバプール遠藤航32歳が考える「監督と主将」理想の関係 

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小野晋太郎

小野晋太郎Shintaro Ono

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photograph byJFA/AFLO

posted2025/08/15 11:00

久保建英になぜキャプテンを?「あの夜、森保監督が部屋を訪ねてきて…」プレミア王者リバプール遠藤航32歳が考える「監督と主将」理想の関係<Number Web> photograph by JFA/AFLO

2023年からサッカー日本代表のキャプテンを務める遠藤航(32歳)

 果たして、翌日。初めての「腕章」という新たな責任を背負った久保は、攻守に躍動した。それも1ゴール2アシスト、プレーヤー・オブ・ザ・マッチのおまけつきで。

 森保のチームマネジメントは、既に消化試合だった2試合で新たな選手だけでなく、常連の選手の心構えすら大きく変えることに成功した。腕章とともに初めての「10番」をつけて躍動する久保。遠藤は若きエースの真後ろにどっしりと構え、その背中をフル出場で支えた。

 試合後のインタビューで開口一番、久保はこう語った。

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「いつもキャプテンマークを巻いている遠藤選手が球際や劣勢でしっかりしたところを見せてくれる。だから今日は僕も遠藤選手になったつもりで切り替えを誰よりやろうと思っていた」

 森保も遠藤も、そして久保も、誰もがお互いにリスペクトがある。だが、遠慮はしない。久保の主将ぶりについて聞くと遠藤は「でも……タケのキャプテンマークは、まだ似合ってなかったですね」と笑った。

 日本代表としての責任感を纏い出した若きエースと、リスペクトを持ちながら新たな人事に挑戦する監督。そしてそれらを全て理解し、黙々と世界の最前線で戦い続けるキャプテン。現代型の日本の組織論としての理想形が、正に今のサッカー「日本代表」なのかもしれない。

第2回“リバプールの日常”編に続く〉

#2に続く
なぜ遠藤航はリバプールで生き残れたのか? サッカー人生最大の“冷遇”「上司ガチャ」に巻き込まれても腐らない究極の思考法〈プレミア王者の日常〉
この連載の一覧を見る(#1〜3)

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