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ケガ人続出サッカー日本代表DF…W杯へのカギはやはり冨安健洋では「余裕を持つ、は言い過ぎかもですが」遠藤航イベントで語った“守備センス” 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph by「月刊・遠藤航 The REAL PICK UP MATCH」提供

posted2025/09/04 17:01

ケガ人続出サッカー日本代表DF…W杯へのカギはやはり冨安健洋では「余裕を持つ、は言い過ぎかもですが」遠藤航イベントで語った“守備センス”<Number Web> photograph by 「月刊・遠藤航 The REAL PICK UP MATCH」提供

遠藤航のトークショーにゲスト出演した冨安健洋

「でも、本当にそうだったんです。シント・トロイデンでは航君と大地君に後輩として、ほぐしてもらって、ようやく……。“良い意味で”先輩とかも軽いノリでいけるようになりました」

 すると、今度は司会者に対して、遠藤がドヤ顔で説明した。

「彼、真面目なので」

余裕を持つと言ったら言い過ぎかもしれませんが

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 ただ、今回のトークショーは、そんな真面目さがあったからこそ、観戦に来たファン垂涎の内容となった。

 この日はプレミアリーグの放映権を持つU-NEXTが映像を提供し、遠藤サイドが神奈川県内の映画館の一角を貸し切った。巨大スクリーンと迫力サウンドの中で、実際の試合の映像を見ながら、2人がサッカーの話をするという実に豪華なイベントになった。会場の熱気と興奮は、最後列に座った一介の記者にも伝わってきた。実際、冒頭の言葉通り、冨安は普段はあまり明かさないような話を次々と披露していった。

 例えば、多くのファンが安定感や頼もしさを感じているであろう――守備における心構えについても、冨安の口から聞かれた。

「押し込まれている状況でディフェンダーはどのようなことを考えているのですか?」と問われた冨安は、こう答えた。

「僕は押し込まれているときは、逆に、余裕を持つ……と言ったら言い過ぎかもしれないですけど、『大丈夫だよ』という感じの精神状況を作ろうとイメージしています」

スライディングをしたくないからこその心構え

 自分に言い聞かせるだけではなく、対峙している相手に対しても「冨安はこの状況でも落ち着いているぞ」と感じさせようとしている。そんな姿勢を取るのには理由がある。

「慌てて一対一をしてしまうと、やはり(相手のフェイントなどに)反応してしまう。基本的に(一度マークを)外された時ほど、『どうせ切り返してくるでしょう』という感じで、飛び込まないくらいでないと。僕はスライディングをしたくないので」

 冨安が最終ラインで醸し出す安心感は、そういう心持ちを源泉として生まれるものなのかもしれない。なお「良い時は(自然と)そうなっているんですけど」とも話す冨安は、以下のように強調しており、そこには世界最高峰の名門クラブで戦い続けた者にしかわからない実感が込められていた。

【次ページ】 冨安の話が実に頼もしいと感じたワケ

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