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佐々木朗希とのコミュニケーション「イージーだ。英語を理解してる」フィジカルコーチが新証言…復帰に向けて“3カ月ぶり”に語った「瀬戸際の覚悟」
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斎藤庸裕Nobuhiro Saito
photograph byNanae Suzuki
posted2025/08/09 17:02
復帰に向けた調整を続けているドジャースの佐々木朗希
「下半身の安定性を作ることが目的。足を上下に動かすだけでなく、踏み込む感覚をしっかりとつかめるようになる。強く投げることに必ずしも重要かどうかは分からないが、少なくともフィジカル面でエネルギーの漏れが出ないように、地面からの反発力をどう生かすか、ということだね。それが我々の目指しているところ」
コーチが語る佐々木「コミュニケーションはイージーだ」
佐々木は投球モーションで左足を大きく蹴り上げ、体幹に力をためる。そして、爆発的なエネルギーをボールに伝える必要がある。もっとも、主に強化している箇所が下半身という訳ではない。上半身も含めて「全体的にもっと強くなれるように、我々はトレーニングを行っている」という。役割も分かれており、フィジカル・セラピストのジョナサン・アーブ氏は肩周りのリハビリを担当。安定性や可動域に加え、肩周り全体の質の向上を複数の球団スタッフで行ってきた。
スミスコーチは佐々木を「My Guy(マイ・ガイ=私の友)」と、親しみを込めて呼んでいる。「コミュニケーションは簡単だよ。イージーだ。彼は英語を理解しているし、分からなくても何か単語を見つけてくるよ。僕も日本語を学んでいるけどね」と、互いのやりとりを明かした。
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リハビリ当初に比べ、ロバーツ監督の前向きな見方も強くなってきている。シーズン後半戦が再開した7月19日、同監督は「報告を聞いて、ここ数カ月の中で一番、(復帰してくれることが)楽しみだと感じている。精神的な面でも、良い状態にあると思う。何より再び戦うことを欲していて、それはとても良い兆候。プレーすることに飢えている」と語った。今後求めていく点について「もっと自分のボールに自信を持たないといけない」と厳しさも見せる一方で、佐々木が戦力となれば、投手陣にさらに厚みが増すのは好材料であることは間違いない。


