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「MVP争いは大谷より“カブス選手”が優位」「誰もオオタニに勝てない」割れた大谷翔平のMVP予想…米国選手・記者に聞く「大谷翔平の今シーズン評価」
posted2025/08/10 06:00
大谷翔平にとって3年連続4度目となるMVP獲得はあるか? アメリカで記者・選手に聞いた
text by

水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph by
Nanae Suzuki
大谷翔平が二刀流に復帰して2カ月近く。先発投手としての完全復活には至っていない。5回まで100球前後の球数を投げて試合を作るのが先発投手の完全復活だと考えれば、6月16日のパドレス戦で投手として復帰してから8試合に登板した時点で、今季最長イニングが4、最多球数は54。7月30日の敵地シンシナティでのレッズ戦では当初は4回まで投げる予定だったが、右臀部の痙攣が発生し3回0/3で緊急降板するアクシデントもあった。
2年ぶりに二刀流に復帰した大谷は、米国ではどう見られているのか。現地で選手やジャーナリストに直撃してみた。
猛暑はアメリカも…「夏の投球はキツイ」
「あの痙攣は、過酷な暑さによる脱水症状が原因だね。僕も痙攣を経験したことがあるので、本当に痛いほど気持ちがわかる」
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こう語ったのはレイズでメジャー4年目の先発右腕シェーン・バズだ。大谷がシンシナティで登板した当日の現地の気候を調べてみると、試合開始時の気温は32度、蒸し暑さを表す不快指数はほぼ100%。バズは、その大谷登板の3日前に、同じくシンシナティで先発登板していた。
「シンシナティの蒸し暑さは本当に酷かった。湿度が高くて、尋常ではないくらいの汗をかいた。ひっきりなしに水分補給をしてもまだ足りないくらいで、とにかく水やスポーツドリンクをがぶ飲みしてもすぐに体がカラカラになる感覚だった。投手をやる上で一番キツいのは夏だね。今年は特に夏の厳しい暑さで、体力をいつも以上に消耗している」
過酷な暑さに加え、投打の二刀流は他の選手より2倍から3倍も体に負荷がかかっているといわれている。二刀流をどうやってこなしているのか想像できるかと聞くと、バズはこう答えた。
「僕には無理、できない。投手だけでも十分にハードな仕事だ。メジャーのレベルでショウヘイがやっていることは、本当にクレイジーなことだよ。投手をやりながら、打者もやるなんてね。彼は本当に唯一無二だ。あんな選手は他にいない。誰にも真似できない」
投手に厳しい…メジャーの今
しかも今季は投手にとって、いつも以上に厳しいシーズンになっている。

