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佐々木朗希とのコミュニケーション「イージーだ。英語を理解してる」フィジカルコーチが新証言…復帰に向けて“3カ月ぶり”に語った「瀬戸際の覚悟」
posted2025/08/09 17:02
復帰に向けた調整を続けているドジャースの佐々木朗希
text by

斎藤庸裕Nobuhiro Saito
photograph by
Nanae Suzuki
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約3カ月ぶりに佐々木がメディアに語った言葉
ドジャース佐々木朗希投手(23)の復帰が、徐々に近づいてきた。一時は想定される復帰時期が二転三転していたが、ロバーツ監督の言葉を踏まえると、現時点では8月下旬以降か、9月に入ってからのシーズン終盤がメドとなりそうだ。8月8日(日本時間9日)、本拠地でライブBP(実戦形式の投球練習)を行い、順調なら次なるステップは、マイナーリーグの試合でリハビリ登板となる。佐々木は8月5日(日本時間6日)、約3カ月ぶりに現地メディアの取材に応じ、復帰に向けて意気込みを語った。
「今シーズン戻れるとは思っています。ただ、パフォーマンス的に戻るか、チームで投げるチャンスがあるかとか、僕が健康であっても投げられない理由もあるかもしれない。自分の中では投げられるように準備するだけだと思ってますし、そのためにこの1カ月、実戦に入ってくると思うので、しっかり頑張りたい」
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投げられる状態=先発ローテーション定着とは限らない。結果を残し、その枠を勝ち取らないといけない。復帰に向けて前向きな姿勢を見せながらも、信頼して起用されるかどうかの瀬戸際にいる、そんな覚悟がにじんでいた。
「いろいろ、複雑で難しいんですけど…」
5月13日(同14日)に右肩のインピンジメント症候群で負傷者リスト(IL)入り。キャッチボール再開後に違和感を覚え、一度はリハビリが後退した。6月下旬に再び投球練習を行うと、事態は好転。当時の状況を「トレーニングだったり、治療しながら、なんで痛みが起きているのかを見つけることができて、そこからはすごくスムーズにいって。いろいろ、複雑で難しいんですけど、いい動きだったり、何で痛いのかが分かった。そこから投球フォームにどう落としこんでいくか、という作業をずっとやって、そこから良くなりました」と明かした。
すでに3度行ったライブBPでは、90マイル台中盤(約153キロ前後)の球速が出ているという。新球種のツーシームやカットボールも試投している。一方で、佐々木は「まだフォーム的には完全に自分が投げたいように投げられているわけではない」と明かした。持ち味でもある100 マイル (約161キロ)越えの速球を制球よく投げ続けるには、体の土台を固める必要もある。そのために、フィジカル強化担当のトラビス・スミスコーチと抵抗力を高めるトレーニングも継続してきた。腰にロープを巻かれ、後方からロープで引っ張られる力に抵抗しながら、もも上げをしたり、スタートダッシュをしたりするメニューがあった。同コーチが、その意図についてこう明かした。

