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「野村克也の“親バカ”トレード」批判「カツノリから阪神に漏れる」疑惑も…“2世”野村克則が明かす「ヤクルト→阪神、金銭トレードのウラ側」
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佐藤春佳Haruka Sato
photograph bySankei Shimbun
posted2025/08/07 11:01
1999年12月、野村克則捕手(カツノリ)の阪神入団会見。ヤクルトから金銭トレードされた
父だけでなく、母・野村沙知代さんも時の人だった。当時は衆院選に立候補したり、女優・浅香光代との「ミッチー・サッチー騒動」の渦中にあったりと、芸能マスコミを騒がせていた。時にメディアから大バッシングを受ける母の姿に息子として胸を痛めながらも、それを口にすることでまた注目を集めてしまう現実に、克則はただ口をつぐむしかなかった。
「お袋のこともありましたからね。連日メディアで騒がれていてそれが凄く嫌だったけれど、もうしょうがないのかな、と思いながら......。誹謗中傷みたいなこともしょっちゅうですよ。今のようにSNSがあったら、もっと大変だったのかなと思います。僕はかなり鍛えられました。それで精神的にも強くなったのかなと思います」
底抜けに明るいキャラクターで選手に慕われる現在の姿からは想像もできないような、若き日の苦悩。思わずこちらが「よく潰れずに……」とつぶやくと、克則は屈託なく笑ってこう返した。
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「北斗の拳のケンシロウと一緒です。哀しみを背負って生きていく(笑)。宿命ですよ」
