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薬物疑惑、昭和の芸能界…ボクシング興行師の息子が“借金30億円”を背負った理由「亀田家とボクシングの品格を下げた」と批判された男の現在
 

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栗田シメイ

栗田シメイShimei Kurita

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posted2025/08/04 11:00

薬物疑惑、昭和の芸能界…ボクシング興行師の息子が“借金30億円”を背負った理由「亀田家とボクシングの品格を下げた」と批判された男の現在<Number Web> photograph by NumberWeb

大阪・西成にある「TMKボクシングジム」で会長を務める金平桂一郎。今年11月で60歳となる

 1982年に「週刊文春」が5週に渡り報じた「毒入りオレンジ事件」は、ボクシング界全体に暗い影を落とした。

 ジムの看板ボクサーである渡嘉敷勝男、具志堅用高の対戦相手に正紀が薬物を混入したという衝撃の内容であった。正紀は否定したが、その余波は大きくスポンサーも離れていった。後に和解となったがこの報道により、正紀は永久追放の処分を受けている。

 その後処分が解かれ、ボクシング界に復帰するが、「鬼塚勝也という才能に出会うことがなければ、父はそのまま身を引いていたであろう」というのが桂一郎の見立てである。

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「鬼塚君という天才が父をボクシング界に繋ぎ止めた。一方の私は、どこまで行っても『金平のセガレ』。良くも悪くもそれは後の人生でもついて回りました」

ド派手な交友関係「大物俳優が数億円を…」

 芸能界では勝新太郎や萬屋錦之介、藤圭子に立川談志。文学界では寺山修司。海外ではフィリピンのマルコス大統領夫妻。政治の世界では田中角栄に浜田幸一ら自民党を中心に交流が深かった父・正紀は、政界進出にも意欲的だった。今のボクシング界では少し考えづらい行動力と胆力。そして、異常な上昇志向を持ち合わせていた。

 桂一郎が、こう回想する。

「父は、格闘技はエンターテインメントだ、という意識が強い人でした。そこに本質がある、と。だから、様々な分野の一流どころと会うことが仕事に繋がると考えていた。アリの興行の際も、父と交流が深かった某大物俳優が数億円をポンと出してくれたこともあります。ただし、父のコネで著名人に会えた機会は皆無でした」

【次ページ】 父の死…発覚した借金30億円

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