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「“このまま引退”はない」寺地拳四朗33歳を倒した“苦労人”サンドバルとは何者?「すぐに簡単な試合にならないと感じた」英国人記者も嘆いた予想外の結末
posted2025/08/02 11:07
試合後、言葉少なに会場を後にした寺地拳四朗(33歳)。顔が腫れ上がっていた
text by

杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
Naoki Kitagawa
絶対王者がまさかの陥落――。WBA、WBC世界フライ級統一王者の寺地拳四朗(BMB)が挑戦者リカルド・サンドバル(アメリカ)に2-1の判定負けを喫した。寺地を好きなボクサーの一人と豪語していた海外記者「すぐに簡単な試合にならないと感じた」。敗北の理由を探る。【NumberWebレポート全2回の後編/前編から読む】
「2025年最大級の番狂わせ」によって、サンドバルは一躍軽量級の主役候補に躍り出ることになった。
サンドバルは、オスカー・デラホーヤが率いるゴールデンボーイ・プロモーションズと契約を結ぶ26歳のメキシコ系ボクサー。これまで27勝(18KO)2敗という見栄えの良い戦績を積み重ねてきたが、アメリカでは一般的に注目度の低い軽量級選手とあって、これまで注目度の高いコンテンダーではなかった。“神の子(El Nino)”というニックネームほどに閃きを感じさせるスタイルではなく、やや地味な存在に甘んじてきた。
それでも寺地戦での瑞々しいボクシングは評価を高めるのに十分。これまでもサンドバルの試合を何度か観てきたリングマガジンのマネージングエディター、トム・グレイ氏もその堂々たる戦いぶりには目を見張らされたのだという。
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サンドバルのよさは具体的にどこにあるのか。寺地との再戦が実現したらどんな試合になるのか。軽量級のボクシングに精通するグレイ氏に意見を求めた。(以下、グレイ記者の一人語り)

