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佐藤輝明、大山悠輔、近本光司「生え抜き軍団で首位独走」阪神タイガース“10年”で何が変わった? 未来を変えたドラフト戦略の転換点 

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西尾典文

西尾典文Norifumi Nishio

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posted2025/07/26 11:00

佐藤輝明、大山悠輔、近本光司「生え抜き軍団で首位独走」阪神タイガース“10年”で何が変わった? 未来を変えたドラフト戦略の転換点<Number Web> photograph by JIJI PRESS

2016年ドラフトで主砲候補の白鴎大・大山悠輔を一本釣りした阪神タイガース。当時の指揮官・金本知憲の意向を汲んだ驚きの指名だった

 結果として大山は単独指名での獲得だったが、このあたりから顕著になったのは1位指名でこれと決めた選手に対して入札するケースが増えたということだ。

 2017年にはいずれも抽選で外したものの清宮幸太郎(早稲田実→日本ハム)、安田尚憲(履正社→ロッテ)という超高校級スラッガーを続けて指名。それ以降も昨年まで1位指名で抽選とならなかったのは2023年の下村海翔(青山学院大)だけである。過去10年の最初の入札で当たりくじを引き当てたのは高山と佐藤の2度しかないが、とにかく目玉の選手から逃げずにスケールの大きい選手を獲得しようという金本監督の方針は引き継がれていることがよく分かるだろう。

 もうひとつ阪神のドラフト戦略で特徴的なのは1位指名を外した後にある。いわゆる“外れ1位”でも、最初に指名した選手と特徴の重なる選手を指名しているケースが多いのだ。その象徴的な例が2018年だろう。

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 この年はまず藤原恭大(大阪桐蔭→ロッテ)に入札して外すと、次に同じ外野手の辰己涼介(立命館大→楽天)を指名。さらに辰己を外しても“外れ外れ1位”で大阪ガスの近本を指名しているのだ。結果としてこの判断は大成功で、近本は1年目から不動のセンターとなっている。

 それ以外にも2019年は奥川恭伸(星稜→ヤクルト)を外して西純矢、2021年には小園健太(市和歌山→DeNA)を外して森木大智と同じ高校生右腕を続けており、2022年も浅野翔吾(高松商→巨人)を外して同じ右打ちの外野手である森下翔太を指名した。昨年のドラフトで金丸夢斗(関西大→中日)の外れ1位で同じ左腕の伊原陵人を獲得したのも記憶に新しい。

 全員が成功しているわけではないが、このような一貫した姿勢も阪神のスカウティングの特徴と言えるだろう。

後編に続く〉

#2に続く
「あれ、阪神スカウトだけ来てないぞ…」他球団が恐れた阪神タイガース“宝探し”の極意とは? 緻密で大胆なドラフト戦略「昔より真面目なスカウトが増えた」

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