「あれ、阪神スカウトだけ来てないぞ…」他球団が恐れた阪神タイガース“宝探し”の極意とは？ 緻密で大胆なドラフト戦略「昔より真面目なスカウトが増えた」

　前編では阪神の過去10年のドラフト戦略がいかに成功しているか、それ以前の10年との比較などから紹介したが、方針が変わっただけでもちろん上手くいくわけではない。それ以外の要因はどんなところにあるのだろうか。

　以前、阪神の生え抜き選手が多く活躍しているという話題になった時に、他球団のスカウトが興味深い話をしてくれたことがあった。

阪神スカウトの“キャラ”が変わった？

「以前よりも（阪神のスカウトに）真面目な人が増えたと思います。昔はいい加減だったと言ったら怒られるかもしれませんが、試合はもちろん練習などでも阪神のスカウトを見る機会が増えました。現場のトップである畑山さん（俊二・統括スカウト）が率先して熱心に見られているのも大きいのではないでしょうか。コロナで試合が少なかった2020年のドラフトであれだけ成功したのも、限られた機会でしっかり見極めた結果だと思います」

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　スカウティングの現場では担当スカウトだけでなく、他の地域の担当スカウトも同席する“クロスチェック”と言われる方法をとることも多いが、阪神はとりわけ多くの人数で視察するケースが多いように見える。

2018年ドラフトで1位指名した近本光司（右）と握手する阪神タイガースの畑山俊二統括スカウト　©︎JIJI PRESS

　一つの現場に多くのスカウトが集まることによって他の現場が疎かになり、また責任が分散するというデメリットもあると言われるが、重要だと認識した選手を多くの目で見ることによって成功している部分も大きいのではないだろうか。

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