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森保監督が一喝…何があった?「30分前まで穏やかだったのに」E-1連覇のウラに指揮官の“怒り”…国内組に求めた“世界基準”「練習もキャリアで一番長かった」
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菊地正典Masanori Kikuchi
photograph byMATSUO.K/AFLO SPORT
posted2025/07/18 11:00
7月10日、練習前は笑顔だった森保監督だが、このあと選手たちを一喝する
じつは、トレーニングが始まって15分が経とうとしたところで、筆者も「やっぱり声が少ない」とメモしている。「やっぱり」というのは、全体練習の初日にも同じことを感じていたからだ。
現在の日本代表はヨーロッパのトップクラブでプレーする選手が大半を占めるようになった。練習以外の時間でも、自発的なコミュニケーションは活発に行われている。
明らかに“声”が足りない現状に、指揮官は危機感を募らせたのだ。
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普段はトレーニングの指導のほとんどをコーチに委ね、チームから少し距離を取り、全体を俯瞰するように練習を見守っている。だが、選手たちに歩み寄っていく姿に、「基準をぶらさない」という覚悟が表れていた。
「相当、練習をやったんですよ」
いつもとは異なる厳しさを示した森保監督だったが、驚きだったことはそれだけではない。今大会での活動で印象的だったのは、試合前日のトレーニング時間が長かったことだ。
「相当、練習をやったんですよ。僕の今までのキャリアの中でも前日練習で一番やったんじゃないかというくらいの量をやりました」
初戦を終えたあと、そう話していたのはプロキャリア12年目の稲垣祥(名古屋グランパス)だった。育成年代を含めて代表経験こそ多くないものの、さまざまな監督のもとでプレーしてきたベテラン。2017年の半年間だけながらサンフレッチェ広島で森保監督の指導を受けたことがある稲垣だけに、言葉に説得力があった。
冒頭をのぞいて練習は非公開となるため、全貌をうかがい知ることはできないが、中国戦、韓国戦の前日も1時間半近くトレーニングを行っていた。
その理由を森保監督は次のように説明する。


