大谷翔平の舞台裏:ドジャース異聞BACK NUMBER
「オオタ二の後だからって…」「慣れてる」投手・大谷翔平を支える“ドジャース救援陣”の本音…「大谷ルールは本当にありがたい」の真意とは?
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斎藤庸裕Nobuhiro Saito
photograph byGetty Images
posted2025/07/13 11:03
投手としてはオープナーとしての起用が続く大谷翔平
「オオタニが投げた後だからって、難しさはないね」
最速100 マイル (約161キロ)の速球を武器とする左腕ジャスティン・ロブレスキ投手(24)がその1人だ。2年目の今季は、リードされている展開での起用や、先発ローテーションの谷間での起用に加え、ピギー・バックもこなしている。7月5日に大谷が先発したアストロズ戦では、2番手で3回から7回途中まで4回 2/3 を消化した。5失点で負け投手となったが、役割を全うした。
ピギー・バックでは通常の先発と同じように、試合開始の30~40分前からウオーミングアップをすることは出来ない。それでも、ロブレスキは「自分のスタート時間が少し遅いだけで、ルーティンも全部同じ。先発のつもりで準備しておいて、あとは呼ばれるまでベンチで待つだけ。自分が出る1イニングくらい前から、普段通りのウオームアップをしている」と話す。役割が柔軟に変わる状況にも、「オオタニが投げた後だからって、特に難しさはないね。僕はただ、チームが勝つために力になりたいだけ。必要なことは何でもやるよ」と頼もしい言葉で、心境を明かした。
「“大谷ルール”は本当にありがたいよ」
若手の救援投手で今季メジャーデビューを飾った左腕ジャック・ドライアー投手(26)は、リリーフ左腕ではチーム最多の46回 2/3 (7月10日終了時点)を投げ、ピギー・バックを経験したこともある。ロブレスキ同様、柔軟な役割を任されることに「自分の役割は、どんな形でも対応できるようにしておくこと。だから、オープナーでもいいし、一番大事なのは、先発でもロングリリーフでも1イニングだけの登板でも、全部同じ感覚でやれるようにすること。だからルーティンを常に同じに保つようにしている」と語った。
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さらに同投手は、大谷復帰への感謝も口にした。「彼は二刀流選手だから、ブルペンの8人枠には含まれない。だから『大谷ルール』は本当にありがたいよ」。各チームは通常、ベンチ入りメンバーは26人で、そのうち投手と野手を13人ずつで分ける。投手は先発を5人、救援陣を8人とするのが一般的となっており、ドジャースも同じだ。

