今井達也「登板結果は生まれた瞬間に決まってる」西武エースが明かす驚きの人生観「僕、結構涙もろいんです」クールな仮面に隠す“情熱家”の素顔 

「結果というのは、相手がいることなので、戦い方が良くても負けるときもあれば、悪くても勝つ試合もあります。なので、結果だけを見るのは、僕はあまり好きじゃないんですけど。優勝を目指してやっている中で、一人ひとりの選手の練習への姿勢だったり行動だったりが、自分の発言内容と比例してこないと上には行けないと思っています。そうなれるよう、きっかけ作りを僕ができればいいなぁと思っていますね」

　チームが同じ方向を向く。足並みを揃える。口で言うのは簡単だが、一朝一夕では進まない。そんななか、今井はチーム全体を見渡し、指摘し続ける存在になろうとしているのだろう。

今井　©Hideki Sugiyama

“運命を受け入れる”今井の人生観

　では今井個人はこの先、ひとりの野球選手として自分がどうありたいと思い描いているのだろうか。

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「変な考え方かもしれないんですけど、次の登板の結果って、もう僕が生まれた瞬間に決まっているんじゃないかと思っていて……。だから別に試合中、小手先でどうこうしようとあがいても、それほど起こることは変わらないんじゃないかなって気がするんです。次の登板も自分が死ぬまでの人生の一部じゃないですか。どういう人生を歩んでいくんだろうっていう楽しみを持ってマウンドに上がっている感覚ですね」

今井らしい姿でチームを引っ張る　©Yuki Suenaga

　ルーレットを回して進み、止まったマスの出来事を受け入れる。まるで人生ゲームで駒を進めているような感覚だろうか。

「そんな感じです。人生ゲームの、先のマスには何が書かれているかわからない。そういう感覚で今、生きてます。今日は勝つのかな、負けるのかな。打たれるのかな、抑えるのかな……みたいな感じで。でもそれぐらいの方が気持ちはすごく楽ですね」

　どんな試合も気負わず臨む――。

　勝負の世界を『運命』という言葉で形容するのは、エースにと期待され、期待に応えようと努力を重ねてきた今井の新境地なのかもしれない。

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