- #1
- #2
スポーツ・インテリジェンス原論BACK NUMBER
「“10年前”が蘇る美しいトライ」ラグビー日本代表“エディー解任論浮上”も12年ぶりウェールズ撃破「“酷暑”は相手を削ったが、勝因は別にある」
text by

生島淳Jun Ikushima
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/07/07 17:02
12年ぶりにウェールズを撃破し、試合後にリーチマイケル(36歳)を抱き上げるワーナー・ディアンズ(23歳)
それにしても、ウェールズの不調ぶりには胸が痛む。ウェールズのニュースサイト、『Wales Online』を読むと、見出しに「深海」という単語が使われ、この日本ツアーが終わったあとには激動が待っていると、ベン・ジェームズ記者は書く。
「サーカス(人事のゴタゴタ)が始まるまで、あと1週あるが、また再び誰かが責任を取らされ、テーブルの上に生贄として差し出されることになるだろう」
深海に沈んでいるウェールズにとって、第2戦は沽券にかかわる試合となる。戦術的には、前半に効果的だったハイボールのコンテストをより仕掛けてくるだろう(日本は長身の11、14、15がいないのが泣きどころ)。
ADVERTISEMENT
一方、日本のジョーンズHCにしてみれば、初戦の勝利は大きな安堵材料となる。第2戦は「完勝」を狙い、選手たちにさらなる自信を植え付けたいはずだ。どんなデザインのプレーを用意しているのか、楽しみでならない。
小倉の夜は、日本とウェールズのジャージが入り乱れて、日本のファンはみんな幸せそうに見えた。テストマッチで勝つというのは、そういうことである。
今週末、ノエビアスタジアム神戸の気象予報は晴れ、最高気温は34度、最低気温は27度。またまた暑い午後になりそうだ。
〈全2回/前編から続く〉

