格闘技PRESSBACK NUMBER
「ビール売り子のほうが収入は安定してましたが…」身長173センチ、7戦全勝…中日の人気売り子だったRiNRiNがキックボクサーに“異例の転身”したワケ
text by

曹宇鉉Uhyon Cho
photograph byL)本人提供、R)HoostCup
posted2025/07/05 11:02
中日の二軍球場を中心にビール売り子として愛されたRiNRiNさん。キックボクサーに“異例の転身”したワケとは…?
――現在の連勝を考えると意外ですね。悔しい思いをたくさんしながら、ここまでキックを続けてこられたのはなぜでしょうか。
RiNRiN それは完全に周りの人たちのおかげです。子どものころからずっとライジング己道会で、ここじゃなかったら続けてないですし、プロにもなっていないと思います。指導してくれる先生がいて、一緒に練習する仲間がいて……。あと、いまジュニアのキックボクシングのインストラクターもやっているんですけど、その子どもたちの存在もすごく力になっています。
「売り子時代のほうが収入は安定していた」が…
――売り子に熱中していたときも「キックはもうやめよう」とは思わなかったんですね。
ADVERTISEMENT
RiNRiN 売り子のときはサボりサボりで、まったく練習に来なかった時期もあったんですけど、なぜか「ここをやめる」って選択肢は一度も浮かんだことがないんですよ。6歳か7歳のころから20年くらい同じ先生に習ってきて、いまは他のジムの方とも交流があって、なお思います。うちの先生の下じゃなかったら絶対に私は育たなかったな、って。だから、ここをやめて他でプロを続けることは絶対にないですね。
――現状、キックボクシング一本で生計を立てるのは難しいんでしょうか。
RiNRiN 売り子時代のほうが収入的には安定していたと思います。いまはインストラクターや指導員のほかに、普通にアルバイトもしていますね。そういえば以前、他のスポーツのプロ選手の方に「僕たちは契約で食べていけるけど、あなたはキックボクシングだけで食べていけないでしょ」って言われたのがすごく悔しくて。
――辛辣というか、失礼というか……。
RiNRiN それをひっくり返したいなと思っていたんですけど、やっぱり試合数も違うし、普通にやったらどうしても無理なことはわかって。あらためて「私にできることってなんだろう」って考えたときに、メディアのお仕事も含めての自分だな、と。今度、8月の鈴鹿8耐でレースクイーンをやるんですけど、そういう依頼も、SNSも、売り子時代からメディアに出てきたことも、すべてつなげて形にしたい。「みんなとは違うことができるキックボクサー」になりたいな、と考えています。


