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肉体改造でカブス鈴木誠也30歳「43本塁打139打点ペース」“大谷超え打点王”ありえる…大谷翔平2度目登板は復帰戦と“大違いの内実”
posted2025/06/24 17:56

カブス鈴木誠也は打点王が狙えるとともに、同い年の大谷翔平に肉薄する成績を残しつつある
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広尾晃Kou Hiroo
photograph by
JIJI PRESS
カブスの鈴木誠也(30歳)が、ここまでキャリアハイを軽々と更新しそうだ。チームの主力として馴染み躍動する様子を、現地6月17日から22日までの成績とともに見ていこう。
今のペースだと…43本塁打139打点のキャリアハイ
〈鈴木誠也/カブス〉
73試293打75安20本64点2盗26球86振 率.256 OPS.851
6月17日ブルワーズ戦 4打1安1本3点0盗 0球3振
6月19日ブルワーズ戦 5打0安0本0点0盗 0球2振
6月20日マリナーズ戦 3打1安0本0点0盗 1球0振
6月21日マリナーズ戦 5打0安0本0点0盗 0球2振
6月22日マリナーズ戦 4打2安2本3点0盗 0球0振
5試合21打4安3本6点0盗 1球7振 率.190
直近の1週間では4安打ながら、そのうち3本が本塁打で6打点を稼いでいる。
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打率こそ.256だが、20本塁打はナ・リーグ6位タイ、64打点は2位タイ、OPS.851はリーグ14位。「PCA」ことピート・クロウアームストロングやカイル・タッカー、マイケル・ブッシュら強打者揃いのカブスにあって堂々の中軸打者になっている。
残り85試合、鈴木がこのペースで成績を残せば……。
158試634打162安43本139点4盗56球186振 率.256 OPS.851
という成績になる。2024年までの鈴木のキャリアハイはそれぞれ以下の通り。
・安打=147本(23年)
・本塁打=21本(24年)
・打点=74(23年)
・打率=.285(23年)
・OPS=.848(24年)
打率を除くほとんどの数字で、キャリアハイを残すことになる。
昨季のナ・リーグ打点王はドジャースの大谷翔平で130打点だったが、鈴木はこのままのペースならこれを上回る。ライバルは多いが、日本人選手として大谷に次ぐ2人目の打点王になる可能性は大いにあるだろう。
一方で鈴木は今季、DHで51試合、右翼で12試合、左翼で11試合出場している。カテゴリー的には大谷と同じDHになるため、オールスターのファン投票や、シルバースラッガー(打撃のベストナイン)投票などでは、不利になる可能性はある。
肉体改造→打球速度が大谷に肉薄してきている
なぜ鈴木が、ここまでの成績を残せているのか? それは鈴木が「フライボール革命」に徹した打者としての肉体改造を続けた結果だろう。
フライボール革命とは、打球速度が158km/h以上、打球角度が26度~30度(バレルゾーン)で上がった打球が最もヒットやホームランになりやすいとされ、それを意識して「角度のある速い打球」を打つことに専念する打撃のこと。
ここで重要なのは「打球速度」である。