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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
ドジャース・大谷翔平が投手「本格復帰」の裏側で…マリナーズ“電撃解雇”藤浪晋太郎を米メディアが惜しむワケ「あのタイプは重宝されるが…」
text by

一野洋Hiroshi Ichino
photograph byGetty Images
posted2025/06/23 11:01
シアトル・マリナーズ傘下のタコマ・レイニアーズを解雇された藤浪晋太郎。一方でその潜在能力への評価は高く、米国では解雇に懐疑的な声も
このように、実はアメリカでも当時の藤浪は「大谷と同格か、それ以上」とされていたことは間違いない。MLB挑戦への期待も決して少なくなかった。
実際、プロ入り後も藤浪は大谷より先に成功を収めた。ルーキー年の2013年に10勝を挙げると、2015年まで3年連続で2ケタ勝利。ストレートは常時150キロ超え、スライダーとフォークも切れ味鋭く、奪三振数でもリーグ上位に位置した。
しかし2016年以降はフォームへの迷いや、それに端を発した制球難、精神面のブレなどでなかなか歯車が噛み合わなくなっていく。結果的に勝ち星も激減。投球回も年々減少し、剛腕にとっての“影”が色濃くなっていった。
2023年からはメジャー挑戦も…相次ぐ移籍
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そんな中で2022年のオフ、ついにMLB挑戦を決断する。
2023年、オークランド・アスレチックスに移籍しMLBデビューを果たした。だが、藤浪は先発ローテーションに定着できず、中継ぎへと配置転換された。思い描いたアメリカライフとはならなかった一方で、それでも三振は奪えていた。実際、同年5月下旬から7月中旬にかけては、21回2/3イニングを投げて防御率3.32、三振率11.5/9回と安定した成績を残している。
だが、それ以外の期間では制球のブレが目立ち、死球や四球による失点が続いた。
7月途中にはボルティモア・オリオールズへ移籍。新天地では一時的に安定し、プレーオフ進出を争う中で中継ぎとして貴重なイニングを担ったが、信頼を勝ち取るには至らなかった。
2024年はニューヨーク・メッツへ移籍するも、オープン戦から結果を残せず開幕前にマイナーへ降格。そのままメジャーでの登板はなかった。

