「あかんわ…もう我慢できなかった」オリックス・森友哉が「涙のお立ち台」の後に語ったこと…希少がんと闘う大阪桐蔭の盟友へ届けた“覚悟” 

泣きはらした森がベンチ裏で語った思い

　ヒーローインタビューを終え、泣きはらした目でベンチ裏に戻ってきた森は、思いのたけを語った。

「今日1日、大翔のことを考えるだけでずっと泣きそうやったんで、ヒーローインタビュー中、大丈夫かな？と思ったんですけど、最後、振られた時に、『あー、あかんわー』と思って、もう我慢できなかったですね。

　今シーズンは3回見にきてくれて、これまでは2回とも、全然ヒットも出ずだった。今日はなんとか活躍している姿を見せたいなと思っていたので、よかったです」

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　この日は野手全員が、打席に入る際の登場曲を変えて臨んだ。森と同じ個人トレーナーのもとでトレーニングしている縁で、福森さんとも知り合った頓宮の発案だった。

「僕らよりも絶対に苦しい思いをされていると思うんですけど、それでも会った時に、めっちゃ笑顔で挨拶してくれて、それが印象的でした。何か僕らにできることはないかなと思って。今日は試合も見られるということだったので、チームみんなで後押ししようという気持ちで、登場曲を変えました」と頓宮。

　その頓宮はwacciの『大丈夫』を選曲。

　森はゆずの『栄光の架橋』とDREAMS COME TRUEの『何度でも』を選んだ。

「何がいいかな？といろいろ悩んだんですけど、まあ少しでも、というところで」と森。

「大翔に比べたら屁でもない」森の覚悟

　高校時代の福森さんとの思い出を尋ねると、記憶を辿ってこんなエピソードを明かした。

「大翔は高校に入った時、たぶん90kg越えだったんですけど、しんどすぎて20kgぐらいやせたんです。それぐらい本当に過酷な日々を送ってました。みんなで『キツイなー』って言いながら、1年生の間は頑張ってた。ほんっとにキツイなーという感じでした（苦笑）」

　そんな1年生時代を乗り越え、3年時には一緒に春夏の甲子園に出場。まさに“苦楽”を共にした戦友は、今も森の背中を押し続ける存在だ。

「お互いに刺激をもらいながら。自分の、打てないとか、どっか痛いとかっていう苦しさは、大翔に比べたら屁でもないので。もう僕は一生懸命やるだけだなと思っています」

　決意と覚悟に満ちた目で、森は次の戦いを見据えていた。