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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「まるでMF」21歳“あのCB”が食い込む可能性も? W杯まであと1年…日本代表ポジション別“最新序列”を読み解く「アピールに成功したのは…」
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戸塚啓Kei Totsuka
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/06/17 11:02
6月の2試合で多くの新戦力を試したサッカー日本代表の森保一監督。アピールに成功した選手は……?
「まるでMF…生きる局面ある」鈴木淳之介21歳の可能性
CBは活発なテストが行なわれた。最終予選で主軸となった板倉滉、伊藤洋輝がメンバー外となり、谷口彰悟と冨安健洋も代表復帰のタイミングにないからだ。
オーストラリア戦では関根大輝、渡辺剛、町田浩樹が3バックを形成した。町田は最終予選7試合目の出場だが、関根は国際Aマッチデビューで、渡辺は2024年1月以来の出場である。
続くインドネシア戦は、高井幸大、瀬古歩夢、鈴木淳之介の3バックとなった。高井と瀬古は最終予選で起用されているが、鈴木は初招集にして国際Aマッチデビューである。
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国際Aマッチデビューの関根と鈴木は、今後もテストしたい選手だ。関根が起用された3バック右サイドは、板倉、冨安、瀬古、高井、それに今回は招集外の橋岡大樹らが候補者に名を連ねる。どの選手も攻撃に関わることはできるものの、サイドバックが本職の関根はウイングのようにプレーできる。アタッキングサードへ飛び出し、ゴールシーンを生み出すクロスの供給役として機能できるのだ。
ポジションの汎用性も高い。3-4-2-1の右ウイングバックや、4バックの右サイドバックでも起用できる。タイプの異なる右CBとして、テストをしていく価値はある。
鈴木は3バックの左CBだ。このポジションは伊藤、町田、それに中山雄太が担ってきた。十分な選手層が担保されているが、鈴木はビルドアップに優れる。
伊藤や町田のように守備ブロックの間へ縦パスを刺し込みながら、自ら持ち出して相手のプレスを剥がすことができる。昨年途中までボランチを定位置としていただけに、マイボール時の振る舞いはCBではなくMFだ。彼がボールを呼び込むことで相手がひきつけられ、味方選手に空間と時間の余裕を与えることにつながっている。
カタールW杯のコスタリカ戦のように、自陣にブロックを敷く相手を攻略したい試合や局面で、湘南ベルマーレ所属の21歳が生きるのではないだろうか。7月のE-1選手権で相手の守備を攻略するプレーを見せれば、9月の招集へつながっていくはずだ。
【CB短評】
枚数は揃っているが、谷口、伊藤、冨安ら現時点でコンディションが整っていない選手が少なくない。渡辺と町田も今回のオーストラリア戦で負傷した。チームとしての対応力を上げるためにも、既存のメンバーと異なる個性を持つ関根、鈴木は可能性を秘める。
<MF・FW編へ続く>


