- #1
- #2
プロ野球PRESSBACK NUMBER
「じつはヤクルト二軍もダントツ最下位」“借金20”最下位スワローズの深刻な問題、NHK解説者が語る「大学生にも負けるかも…」
text by

遠藤修哉Naoya Endo
photograph byJIJI PRESS
posted2025/06/13 17:22
試合を見つめるヤクルト高津臣吾監督。首位まで15.5ゲーム、5位中日にも9ゲーム差と離されている(6月12日現在)
「ファームのレベルも低い。選手の身体ができてない。昨年、新規参入したオイシックスより順位が下でしょう? 大学生とやっても負けるんじゃないかな。東都でV5の青学が相手だったら打たれちゃうでしょ」
ファームで育つべき選手が力不足。上から主力が抜けても、穴を埋めるだけの人材がいない。補充がきかないから、怪我人が出た時点で打つ手がなくなってしまう。
高津監督のタメ息「投手がいない…」
「投手陣も厳しい。高津臣吾監督も2月にキャンプで話を聞いたとき『投手がいない。後ろはいるんだけど、先発がいない』と嘆いていたもの。小川泰弘、石川雅規なんてベテランは、ほぼ“中10日”で投げる投手になっている。高橋奎二なんか、10年目なんだから、もう核になる投手になっていなきゃならない。奥川恭伸もケガで一軍と二軍を行ったりきたり。投げてみないとわからない投手ばかりで、首脳陣も頭が痛いのでは」
ADVERTISEMENT
では、今のヤクルトが立て直すために必要なことは何か? 答えは明快だった。
「とにかく若手を使うしかない。結果なんて出なくていいから、1年間ずっと使い続けてみたらどうって思うよ。中堅とベテランに期待できないなら、若い選手を使うしかない。何より、チームに新しい競争が生まれる。ソフトバンクなんてそうやって新陳代謝を繰り返してきた」
ケガしたレギュラーが戦列に復帰すると、そのまま席がある。それでは、危機感が生まれず、若手も伸びない。競争を促し、若手に実戦で経験を積ませることでしか、ブレイクスルーは起きないと武田は見る。
「最下位でもいい。だけど、1年後、2年後に伸びそうなやつを、今のうちに見極めておくことが大事だよ」
練習量、育成方法、ファームの質、選手ケア――すべてを根本から見直さなければ、未来はない。武田はそう断言した。
「変えるなら、今しかない。順位なんか気にせずに、若い選手を徹底的に起用して、来年の主力を育てるつもりでやる。チーム全体で“変わる覚悟”を持たないと、何も始まらないよ。軸となる日本人選手を作らないと絶対にチームは強くならない」
次記事では、同様に最下位に苦しむ千葉ロッテを分析する。

