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佐々木麟太郎20歳「悔しいことばかりで(過去に)戻りたいと思うこともいっぱいある…」高卒スラッガー“米留学1年目のリアル”
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杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byAP/AFLO
posted2025/06/13 11:02
スタンフォード大学での1年目を終えた佐々木麟太郎(20歳)
今季はレギュラーシーズン27勝24敗、カンファレンス内では11勝19敗(&プレーオフ0勝1敗)。目標に掲げていたカレッジワールドシリーズへの進出は叶わなかった。個人成績もシーズン&プレーオフで合計52試合に出場し、打率.269、7本塁打、41打点。満足いく数字ではなく、打順もシーズン中に3番から6番に下がった。特にパワーを売り物にしてきた佐々木としては長打率が.413にとどまったことが悔しいようで、ACCトーナメント敗戦後の会見では表情は堅いままだった。
「なかなか自分の中でいい打球が打てていなかった。単打よりもロング(長打)で成績を出してきたのに、シーズン中盤頃はゴロになる打球が多かった」
開幕前はACCカンファレンスの新人王候補という呼び声も高く、注目のルーキーだっただけに、様々な意味で満足いくシーズンではなかったのだろう。
「1年生でスター選手になるのは難しい」
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とはいえ、少し長い目で見れば、収穫も多い1年だったことは容易に想像できる。名門スタンフォード大の学生として学業にも精を出し、キャンパスライフを続けながら中軸打者として全試合に出場。新しい環境へのアジャストメントは大変だったはずで、スタンフォード大のデビッド・エスカー監督もねぎらいの言葉を送っていた。
「1年生でスター選手になるのはとても難しい。本当に大変なことだ。実際、そういう選手は多くはない。今のメジャーリーグにも大学1年生の時に多くのことを学ばなければならなかった選手がたくさんいる。それに加えて彼の場合、アメリカに来て、まず私たちの習慣ややり方を学ばなければならない状況だった。彼は授業でも素晴らしい成績を収めており、私はそれを本当に誇りに思っているよ」

