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佐々木麟太郎20歳「悔しいことばかりで(過去に)戻りたいと思うこともいっぱいある…」高卒スラッガー“米留学1年目のリアル”
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杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byAP/AFLO
posted2025/06/13 11:02
スタンフォード大学での1年目を終えた佐々木麟太郎(20歳)
「ずっと見て下さってありがとうございます。引き続きよろしくお願いします」
昨夏以降、「MLBドラフトリーグ」に参加していた頃から現場取材を継続してきた筆者に佐々木は最後に丁寧に会釈してそう述べた。この件をはじめ、礼儀正しく、聡明な佐々木に感心させられたことは一度や二度ではない。そういった姿勢が変わらなければ、浜田省吾の「家路」や「J.BOY(ジェイ・ボーイ)」を打席に入る際の登場曲として使用する早熟の若者の行く手には明るい未来が広がっているように思える。
さらなる飛躍の日まで、1年目に味わった悔しさと収穫を忘れずに――。
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「悔しいことばかりで、戻りたいと思うこともいっぱいあるんですけど、もう過去には戻れない。チームが勝つために、自分自身がどれだけうまくなって、強くなって戻ってくるかが一番大事。来年はチームの先頭に立って、勝つために貢献できるようにやっていきたいとおもっています」
20歳の大砲の米カレッジキャリアはまだ始まったばかり。まずは今夏、ケープコッドのサマーリーグで爪痕を残せば、スタンフォードでの2年目にいい形で繋がっていくのだろう。その才能と人間的な大きさを考えれば、大器が完全開花を迎える日はもうそう遠くないようにも思えてくるのである。

