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佐々木麟太郎20歳「悔しいことばかりで(過去に)戻りたいと思うこともいっぱいある…」高卒スラッガー“米留学1年目のリアル”
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杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byAP/AFLO
posted2025/06/13 11:02
スタンフォード大学での1年目を終えた佐々木麟太郎(20歳)
今季開幕直後、佐々木は新しい言語、文化の中での生活にこれまで以上にストレスを感じていることを認めていた。それと同時に、「ストレスを乗り越えて成長を実感している」とも話していた。思い通りにいかないときでも、いや、いかないときにこそ、それを乗り越えることで向上できる。もともとそういった考えでアメリカ行きを決断したのであれば、カレッジ1年目の苦闘は価値ある日々だったとも捉えられる。
「なかなか調子が上がりきらない時もあって、チームに迷惑をかけていました。ただ、自分自身で勉強になったのは、自分がよくない状況の時に、どれだけ最低限のパフォーマンス出せるか。成績を振り返ると全然満足してないですけど、51試合プラスこのポストシーズン、52試合をまずケガなくしっかり戦い抜けたっていうのは嬉しいことでした。その中で経験を積ませてもらい、そこが自分自身、一番の財産だと思っています」
米関係者も注目するポテンシャル
適応の日々を続ける中で、ポテンシャルの高さは随所に示してきた。3月は4本塁打、5月にプレーしたシーズン最後の10試合では4二塁打、2本塁打、10打点をマーク。プレーオフの1試合でこそ結果が出なかったものの、シーズン終盤に徐々に調子を上げてきたのは心強い。
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今季開幕戦を配信したESPN+の放送席からはバリー・ボンズ、プリンス・フィルダーといった元スーパースターに喩えられたほどのパワー、飛距離、打球の速さ、素質の確かさは誰の目にも明白。エスカー監督の「優れた選手になるのは時間の問題だ」という言葉は単なる身びいきではないはずだ。

