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「トレード放出される候補」から鈴木誠也の評価激変…なぜ大活躍? カブス監督が明かした“後悔”「私の責任だ…セイヤに誓った」7歳下に“最強の同僚”も
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水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byGetty Images
posted2025/06/07 06:00
今季、メジャートップ打者級の活躍を見せているカブス・鈴木誠也
「セイヤともっと密にコミュニケーションを取りたいと思っている。言葉の壁があると、それを言い訳にするわけではないけれどコミュニケーションを取るのを怠ってしまうことがある。それは私の責任だ。今は昨季よりもずっとうまく彼と意思疎通ができているし、今後もそうしていきたい。セイヤにもそう誓った」
あのPCAと仲良し…イタズラも
チーム内では、積極的なプレーと明るい性格で3月の東京開幕シリーズで日本でも人気者となったPCAことピート・クローアームストロング外野手と名コンビを築いている。2人でリーグ打点王を争いながら打線を引っ張り、カブスの球団専属歴史家エド・ハーティング氏によると、鈴木とPCAはチームの開幕から56試合目までにともに50打点に到達したカブス史上初のコンビとなった。
「ダイナミック・デュオ」
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2人をそんなふうに呼ぶ米メディアもある。
5月のあるとき、シカゴの地元中継テレビ局「マーキースポーツ・ネットワーク」のインタビューで7歳下とのPCAとの関係を問われた鈴木は「大人と子供でしょ。ミーが大人」とおどけながら答えていた。今季はPCAが鈴木にいたずらをするシーンがよくテレビカメラでとらえられており、あるとき鈴木が本塁打を放ってベンチに戻るとPCAにユニホームの首元からペットボトルを突っ込まれ水を流し入れられるいたずらをされて笑い合う姿があり、見る者をほっこりさせていた。チーム内のいい雰囲気も、今季の飛躍の支えになっているのだろう。
だがスポットライトを浴びるようになってもなお、鈴木は謙虚なままだ。
「(打点に関しては)僕は何も変えてないですけど、周りの選手がたくさん塁にいるからこそ自分の打点も増えると思うので、これは自分だけのものでもないですし、周りの支えがあっての打点だと思う。走者をかえせているというのはすごく自信になりますし、周りに感謝という感じです」
このままの調子を維持し打点王に輝けば、カブスでは2001年のサミー・ソーサ以来。今季どこまで成績を伸ばすのか、注目だ。

