メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「トレード放出される候補」から鈴木誠也の評価激変…なぜ大活躍? カブス監督が明かした“後悔”「私の責任だ…セイヤに誓った」7歳下に“最強の同僚”も
text by

水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byGetty Images
posted2025/06/07 06:00
今季、メジャートップ打者級の活躍を見せているカブス・鈴木誠也
クレイグ・カウンセル監督は、鈴木が5月25日のレッズ戦で今季14号本塁打を放った後に「今季は打球をとらえる技術が上がり、質の高いコンタクトが非常に多い。そして球を非常に強くたたいている。本当にとてつもなく力強い。本塁打を放つ前に非常にいいスイングで三塁線側にファウルを打っていて、それを見たときに打てる感触をつかんだと思った」と分析した。ジェド・ホイヤー編成本部長も「打撃技術と打球速度を上げてレベルアップすることが、セイヤの成功の鍵。そして打席で以前よりもはるかにアグレッシブにバットを振っていることもプラスになっている。走者がいるときは相手にダメージを与える意識を持って打撃をしているし、それが成功している」と評している。
MLB公式データ「Statcast」の数値を公開している専門サイト「savant」の鈴木のデータをみると、バットスピードは昨季とほぼ変わらず、6月1日時点での今季の数字は平均時速72.9マイル(約117キロ)で両リーグ70位。だが平均打球速度は昨季より時速1.3マイル(約2キロ)アップして93マイル(約150キロ)になり、昨季のメジャー32位から18位にまでランクを上げた。
さらに優秀なのはバレル率で、打席平均バレル率は昨季の7.0%、65位から今季は11.4%まで上げ10位になっている。因みに「バレル」とは打球速度が時速98マイル(約158キロ)、打球角度がおよそ26~30度ほどで、長打あるいは少なくとも安打になる確率が高いとされる打球。もう1つ、球をしっかりとらえていることを示す8度から32度の打球角度の指標「Sweet Spot率」も昨季の38.8%から44.4%まで向上し、8位にランクされている。勝負強さも光っており、得点圏打率は.353、2死での得点圏打率はさらに高い.400で、昨季の得点圏打率.255と比べると飛躍的に伸びた。
開幕前は「トレード」の話も…
ADVERTISEMENT
この数値アップの理由を、週間MVPに選出された日の現地メディアの囲み取材で、鈴木自身はこう語っている。

